31日、パリ2024オリンピック(パリ五輪)グループBの予選ラウンド第2節が行われ、男子ポーランド代表と男子ブラジル代表が対戦した。
FIVBランキング1位で昨年のネーションズリーグ(VNL)は優勝、今年のVNLは3位と名実ともに最強と名高いポーランドは、グループステージ初戦の男子エジプト代表戦で勝利したものの、アウトサイドヒッターのフォルナルが負傷。ブラジル戦ではそのフォルナルに代えて、来季日本の大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)のサントリーサンバーズ大阪への入団が決まっているシリフカがスタメンに起用された。また今年のVNLでベストミドルブロッカーに輝いたコハノフスキやキャプテンで大黒柱のクレクなどがスタメンに名を連ねた。
対するブラジルはロンドン五輪で準優勝、リオデジャネイロ五輪で優勝を果たした言わずと知れた強豪で世界最高峰リーグと言われているイタリアのセリエAでプレーする選手も多く招集されている。個々の能力が高いチームでセリエAのモデナで日本代表の石川祐希と共にプレーしていた経験もあり、パリ五輪直前にケガからの復帰を果たしたキャプテンのブルーノやこちらも来季日本のSVリーグのジェイテクトSTINGS愛知への入団が決まっているルカレッリらを擁するもの、初戦は男子イタリア代表に敗れており初勝利を狙う。
そんな強豪国同士の注目の一戦は第1セットから白熱した戦いとなる。序盤はブラジルのサーブが走り、リードしつつも一進一退の攻防が続いた。その後はブラジルサーブの猛攻撃に加え、相手コートにとんだボールを拾いに行き得点に繋げるスーパープレーを見せ、最大6点差のリードを奪っていた。しかしポーランドも負けじとシリフカに代わって入ったセメニウクのサーブを起点に4連続ポイントを奪うと、そのまま流れをつかみ同点に追いつく。ただ、ここで終わらないのが強豪同士の戦い。ブラジルのミドルブロッカーであるフラビオのブロック、アウトサイドヒッターであるレアルのサーブからのブレイクによりブラジルがセットポイントを握ると、最後はレアルのサービスエースで第1セットを終えた。
第2セットはポーランドがリバウンドからの切り返しでの得点やミドルブロッカーのビエ二エクのサービスエースにより序盤大きなリードを奪うが、その後ブラジルがミドルブロッカーであるルーカスのブロックポイント2本を中心に点差を縮める。しかしポーランドがビエ二エクのサービスエースやブラジル側のミスなどにより再び大きく点差を広げ、終盤まで点差は埋まらず今度はポーランドがクレクのサービスエースで第2セットを締めた。
第3セットは序盤から両者のサーブが光り、拮抗した戦いとなった。ポーランドはアウトサイドヒッターのレオンやビエ二エクにサービスエースがあったが、ブラジルのオポジットであるダルランのサーブから得点を重ねリードを奪うとそこからはブラジルペースで試合が進み、終盤エジプト戦で負傷したフォルナルがコートに入る場面もあったがブラジルが第3セットを取り切った。
第4セットも序盤、1プレーで長いラリーが続く一進一退の攻防となった。互いに高いブロックを抜けた先にはフロアディフェンスが待ち構えており、ブラジルのタレス、ポーランドのザトルスキーという両リベロが好セーブを見せていた。試合終盤まで取って取られての展開が続いていたが20点以降でポーランドがリードを奪い、最後はブラジルのサーブミスでポーランドが第4セットを取る。
すべてが決まる第5セットはポーランドのミドルブロッカーであるヒューバーが2本のサービスエースを放ち、ポーランドリードで始まる。流れを掴んだポーランドはリードを広げるが、終盤ブラジルが猛追劇を見せフラビオのブロックポイントで同点に追いつく。しかし、レオンのサービスエースでポーランドがマッチポイントを握ると、最後もレオンのサービスエースでこの試合を締めくくった。
互いに破壊力のあるサーブと高いトータルディフェンスの能力で流れが行き来する試合展開となったが最後はポーランドのサーブがブラジルを上回り、グループステージ2連勝としたポーランドが決勝トーナメントを決めた。ポーランドは8月3日の24時に行われる予選ラウンド第3戦でイタリアと対戦する。一方、グループステージ2連敗となったブラジルは8月2日の20時にエジプトと対戦する。
■試合結果
ポーランド 3-2 ブラジル
第1セット 22-25
第2セット 25-19
第3セット 19-25
第4セット 25-23
第5セット 15-12