[写真]=坂口功将

 2024-25 大同生命SVリーグに続いて、昨年10月に開幕した2024-25 Vリーグ。11チームで争われる女子は現在、ブレス浜松が16勝0敗で堂々の首位に立っている。

 リーグ戦では開幕から6勝無敗の状態で、昨年末の令和6年度皇后杯全日本バレーボール選手権に臨んだブレス浜松。そこでは全日本インカレを制覇したばかりの筑波大に2-3(25-23,19-25,25-19,20-25,9-15)で敗れる結果に終わる。フルセットで競り合い、勝てるチャンスも十分だっただけに試合後、選手やスタッフは唇を噛んでいた。

 こちらは社会人で相手は学生チームという立場の違いもあっただろう。加えてリーグ戦では好調とあって、プレシーズンを除けば、これがいわば“シーズン初黒星”。それだけにサウスポーエースの若泉佳穂は「勝ちたかったですね…」と悔しさを隠さず。そのうえで濱田義弘監督も「今日の負けを反省して、修正していくしかありません。切り替えて頑張るしかないですね!!」と前を向いた。その後、再開したリーグ戦で年明けには上位を争う信州ブリリアントアリーズを敵地で撃破するなど、開幕からの連勝を16まで伸ばした。

サウスポーエースの若泉佳穂 [写真]=坂口功将

 総じて見れば好調の理由はベースとして選手個々の高い能力がある。昨季のV.LEAGUE DIVISION2(当時)ではチームの最終成績こそ5位(10チーム中)だったものの、若泉が得点王、リベロの西行米がサーブレシーブ賞に輝き、さらにはアウトサイドヒッターの早川京美が最優秀新人賞に選出された。

 今季も西行と早川がそろって70%を超えるサーブレシーブ成功率をマークし攻撃の起点をつくると、ミドルブロッカーの狩野亜衣やパワーアップしたレイレライニ・アンドラデらが高い得点力で勝利を呼び込んでいる。とくにサーブレシーブ成功率の高さはチーム全体でも70%手前とリーグでトップの数字を記録し、まぎれもない武器に。これには若泉も「みんながとてもレシーブを頑張ってくれているので、センターエリアからの攻撃やバックアタックを使えるようになったことがスタートダッシュにつながったと感じます」と語っている。

抜群のサーブレシーブ成功率を誇る西行米 [写真]=坂口功将

 その一方で、懸念されたのは今季を戦ううえでのメンタル面だった。2024-25シーズンからの新リーグ構想に際して、チームはSVリーグへのライセンス申請のほか、ホームゲームではファンの署名活動を実施。浜松の地でトップカテゴリーを戦う、その機運を高めた。

 だが昨年4月に発表されたライセンス認定は「SVリーグ準加盟」。主には財政面が課題ということでSVリーグ参戦は叶わず、2024-25シーズンはVリーグに臨むことになった。

「事業部の方々がSVリーグに上がるために尽力されていることを私たち選手も知っていたので。『上がれない』と言われたときは、正直がっくりきました」と若泉が明かしたように当然、モチベーションに少なからず影響はあっただろう。それでも「SVリーグは最大16チームを掲げているので、(現状は14チームのため)残り2枠がある。そこをつかむために事業部の方々は引き続き頑張ってくれています。選手たちもそれに引けを取らないように頑張って成果を上げなければ」と若泉。2024-25シーズンに際してチームでミーティングを行い、そこでは全員が「初代女王になる」という思いで一致したという。

[写真]=坂口功将

 ブレス浜松のホームゲームでは地元のファンはもちろん、選手たちの勤務先の企業からも大勢駆けつける姿が見られる。「ほんとうにありがたいです。日頃は一緒に仕事をしている方々応援にきてくださって、週明けに会社に戻ると『頑張っていたね』と言ってもらえたときには、それがモチベーションになります」と語る若泉は「ホームゲームの熱量はVリーグのなかでもいちばんだと感じています」と得意げだ。

「応援してくださる方々はとても増えてきていますし、だからこそ、やはり勝たなければ。いいバレーボールは見せられていると思うので、そこは変えずに。あとは細かいところを徹底することだけです」(濱田監督)

 目の前の試合で一つずつ勝利を重ねていく。それがゆくゆくは道を拓くことだってありえるだろう。ブレス浜松の今季のスローガンは「夢限跳破」(むげんとっぱ)。その言葉を体現するかのように選手たちは戦い続ける。今、立っているこの舞台で。


■ブレス浜松 ホームゲーム情報

・第16節 vs 広島オイラーズ

▼日時
GAME1:2月15日(土)15時~
GAME2:2月16日(日)14時~
▼会場
サーラグリーンアリーナ
▼放送
GAME1:ウィンディ(浜松ケーブルテレビ)
GAME2:ウィンディ(浜松ケーブルテレビ)

・第17節 vs リガーレ仙台

▼日時
GAME1:2月22日(土)15時~
GAME2:2月23日(日)14時~
▼会場
浜松アリーナ
▼放送
GAME1:ウィンディ(浜松ケーブルテレビ)
GAME2:ウィンディ(浜松ケーブルテレビ)

・第21節 vs 信州ブリリアントアリーズ

▼日時
GAME1:3月22日(土)15時~
GAME2:3月23日(日)14時~
▼会場
浜松アリーナ
▼放送
未定