2月23日、電源開発株式会社(以下J-POWERという)と日本バレーボール協会(JVA)が親子参加型教育プログラム『つなぐスクール』を広島県竹原市で開催した。
今回の『つなぐスクール』では、JVAのオフィシャルスポンサーを務めるJ-POWERが、竹原火力発電所がある竹原市内の小学校3~6年生を対象に参加者を募集。竹原市内の子どもたちがスクールに参加した。
元女子日本代表の大山加奈さんがインストラクターとして登場したスクールは、ウォーミングアップで体を動かしたのち、2人組のパスから始まる。そこから、4人での円陣パス、ネットを挟んで12人での円陣パスと、徐々に人数が増えていく。取りやすいように、このパスが続くようにと相手を思い合って『つなぐ』。
単なるバレーボールのパスだけではなく、つなごうという思いは、普段から周りの人とのコミュニケーションをとる上でも大切なことだ。バレーボールを通して、子どもたちと親、そして地域や社会に『つなぐ』ことで生まれる喜びを感じてほしいという思いで、JVAはこの『つなぐスクール』を主催している。

初心者も経験者も、そしてこの日初めて会う参加者同士がパスをつなぐ様子を見て、大山さんが言う。
「初めましての方たちですし、バレーボールをやったことがない子もいたんですけど、ボールがよくつながって本当に驚きました。やさしいパスを出そう、つなごうという意識がすごくあって皆さんのボールに込める思いが伝わってすごくうれしかったです」
円陣パスの次は、グループでのアタックやサーブ練習、ワンバウンドゲームをしてバレーボールを楽しむ参加者の様子が見られた。

バレーボール遊びが一通り終わると、家族への思いを書き記す『つなぐシート』の時間が作られる。子どもたちの考えに合わせ、親がいる前では書きづらいだろうと、まずは子どもたちだけを集めて記入してもらう。全員が記入を終えたら、それぞれのグループで発表し合う。

子どもたちが考える思いや親への感謝、逆に親から子どもへの思いを書き出して言葉で伝えるという場は、忙しく過ぎる日常の中ではなかなか設けられない。しかし、『つなぐスクール』での時間を通して、普段家庭内では言えないようなこともお互いに伝えることができ、それによって親子間のつながりがさらに深まるきっかけになるかもしれない。
大山さんも子を持つ親の視点からその重要性を語った。
「親に対して感謝の気持ちを伝えるのが照れくさい時期にはなってくるかと思うんですけど、言葉に出すことで親側からするとすごくうれしいですし、子どもたちも改めて自分はこういう気持ちなんだと気づくことができると思うので、文字にしたり言葉に出すのはすごく大事なことだなと感じています」
また、今回参加した子どもの保護者からも温かい感想が聞けた。
「娘がバレーが好きなので今回参加しましたが、バレーの良さが改めて分かりました。ボールを落とさずに皆でつないでいくことと、家族や周りの人たちとつながる、ということがかかっていて、学ぶことができました。娘からもこの家族でよかったというメッセージをもらって、うれしかったです」
イベント終了後、大山さんは今回のプログラムの感想と子どもたちへの思いを次のように語っていた。
「バレーボールを普段やっている子も初めての子も今日いたんですけど、皆さんが初めましての状態なのに協力し合ってボールをつなぐ姿が見られて本当に感動しましたし、良い時間をもらったなという印象です」
「これをきっかけにバレーボールを楽しい!やってみたい!と思ってくれることもうれしいですけど、今日会った仲間と協力することの大切さであったり、自分が良いプレーをするために仲間を生かすことだったり、自分のことも周りにいる人たちのことも大切に考えられる人であってほしいなと思います」
バレーボールというスポーツを楽しみながら、家族や友人、地域や社会とつながることの大切さを伝える『つなぐスクール』。JVAは2023年のスタートから全国各地で実施しており、その輪が今後もさらに広がっていくことを願う。
