サントリーサンバーズ大阪でプレーする日本代表アウトサイドヒッターの髙橋藍が、アドバイザリースタッフ契約を結んでいるアシックスを通じて取材に応じ、バレーボールキングからの質問に答えてくれた。
髙橋は、反発性とクッション性を兼ね備え、よりパワフルなジャンプを可能にするシューズ『SKY ELITE FF 3』シリーズを着用し、サンバーズでも活躍。大同生命SVリーグでは、持ち前の守備はもちろん、アタック決定率でもリーグ上位の数字を残し、攻守両面で活躍している。まずはそのプレー面について話を聞いた。
――『SKY ELITE FF 3』シリーズによってブロック時もパワフルなジャンプが可能になっていると思いますが、キルブロックとコースを塞いでフロアに取らせるブロックの割合はどのくらいをイメージしていますか。
髙橋 これはかなり意識しています。これは組織的にも重要なことです。コースを塞いで、抜けたコースにはレシーバーがいる、というのをすごく意識しているので、これはかなり重要なところかなと思います。基本止めに行ったりはしますけど、50:50くらいですかね。
――今のジャンプを実現させるために、何か特別なトレーニングをしていましたか。
髙橋 もちろんスクワットとかいろいろなトレーニングをしています。ただ、自分は下半身の中でも、もも裏のハムストリングスであったり、お尻の筋肉がジャンプには重要だなと思うので、その部分をうまく瞬発力で出せるような、勢いを出せるようなトレーニングを重点的にやります。なのでお尻の筋肉はすごく鍛えますね。

――また、ディグのときの卓越した反射神経、安定したレセプションも髙橋選手の武器だと思いますが、レシーブで意識していることはありますか。
髙橋 次の選手がつなぎやすいボールを返球することは意識しています。どれだけしんどい体勢でも、強いスパイクやサーブでも、次の選手がつなげられないと意味がないと思っています。結局レシーブは得点を取るための過程に過ぎないので、得点を取るためにつなぎやすいボールを返球していくことはすごく意識しています。
――逆に現時点で課題だと思っている部分やもっと成長したいと思っている部分はありますか。
髙橋 基本的に攻撃面は鍛えていきたいなと思っています。
――その攻撃面を鍛えるためになにか特別なことに取り組まれていますか。
髙橋 もちろん筋力的なところもそうですし、大事な1本とか、そういうシチュエーションがきたときにそこで結果を出す、成功させていく、得点を取っていく、成功例を増やしていく、というのを意識してやっています。

バレーボール界の顔の一人として活躍する髙橋。その髙橋はアシックスとともに、バレーボールだけでなくスポーツの素晴らしさを発信し、多くの人にスポーツに触れてもらう活動を行っていく予定だ。2025年夏には、髙橋と一緒にスポーツを楽しめるイベントも企画しているという。
――バレーボールに限らずスポーツの素晴らしさを発信されるということですが、バレーボールとは異なるスポーツで尊敬している選手はいますか。
髙橋 河村勇輝選手(バスケットボール/メンフィス・グリズリーズ)とはすごく仲が良くて、彼のNBAでの挑戦はすごく刺激になっています。あとはやはり他の選手となると大谷(翔平)選手(野球/ロサンゼルス・ドジャース)は見ていてすごいなと思います。結果を出しながらもあれだけ謙虚にやられているのは、本当にスポーツ選手の鑑だなと思いますね。
――バレーボール以外で、好きなスポーツや、やってみたかったスポーツはありますか。
髙橋 野球かな。小さい頃にお父さんが野球をやっていたので、野球はちょっとやっていました。バレー以外だったら野球をやってみたかったかな。
――髙橋選手が考えるバレーボールの魅力を教えてください。
髙橋 迫力を間近で感じられるのはバレーボールの魅力かなと思います。ファンの方々の目線で見ると、基本的にコートも近いし、選手との距離感も近いので、目の前でプレーが見られるのはバレーボールの魅力だと思います。あとは分かりやすい。テンポ感とか、得点もどんどん入るので、見ていて一緒に楽しめる、盛り上がれるのはバレーの魅力だと思います。

――今季からSVリーグでプレーし、日本でバレーボールやスポーツの魅力を発信されていますが、来季も日本でプレーすることを決めた理由を教えてください。
髙橋 今年は思った以上に盛り上がりがすごかったというかすごいです。まずもう1年なにかやれることがあるなと思ったのと、この勢いをもっともっと勢いづけていきたいなという思いがありました。
もう1年残りたいですし、またチーム状況も変わると思うので、今シーズンはケガもあっていい感じにはスタートできなかったんですけど、来シーズンはいい入りでシーズンを迎えて戦ってみたいなとも思います。
バレーボール以外の面も、日本にいるとそういったところと向き合う時間もあったりするので、何か挑戦できないかなという思いでもう1シーズンやろうと思いました。
――「今までにいなかった選手になりたい」とよくおっしゃっていますが、プレー面ではどんな選手を目指していきますか。
髙橋 両立というか、ディフェンスもできてスパイクもできる選手は世界を見てもいないと思っています。スパイクは強くてもレシーブは苦手、レシーブがいい選手はスパイクができないことがすごく多いので、そのどっちも兼ね備えて、その中でもトップの選手になりたいと思っています。