12日、大同生命SV.LEAGUE WOMEN(SVリーグ女子)のヴィクトリーナ姫路が、日本代表アウトサイドヒッターの井上愛里沙(29)が2024ー25シーズンをもって現役を引退することを発表した。クラブ公式サイトが伝えている。
井上は京都府舞鶴市出身。中学は岡山県の強豪校である就実中学に進学しバレーを極め、高校では地元の舞鶴に戻って全日本ジュニア選抜に選出され、バレー界の期待の選手として活躍を続けた。高校卒業後、2014年に筑波大学に進学し、同年には日本代表にも選出。卒業後の2018年に久光製薬スプリングス(現・SAGA久光スプリングス)に入団し、4年の間プレーをした。
日本代表として目標にしていた2021年開催の東京オリンピック(五輪)への出場は叶わず、また2021ー22シーズンは現役最後という気持ちで臨んだシーズンだったが、2024年のパリ五輪に向けて現役を続けることを決断。2022ー23シーズンにはフランスリーグに挑戦し海外経験を積み、2023年からは姫路でプレーを続ける中、2024年開催のパリ五輪にも出場を果たした。
今シーズンも姫路の主力として活躍し、現時点でのリーグ総得点ランキングでも上位にランクインしている井上だが、今シーズンをもって現役を引退することを決断し、クラブを通してコメントも発表している。
「今シーズンをもって現役を引退することを決断いたしました。“バレーボール”は私にとって宝物です。私を未知の世界へ連れて行ってくれた、それが”バレーボール”楽しい、悔しい、苦しい、嬉しい気持ちをたくさん感じさせてくれた、それが”バレーボール”数々のかけがえのない出会いをもたらしてくれた、それが”バレーボール”でした。私はなりたい自分に近づくためにこれまで全力で駆け抜けてきました。その中でこれまでの様々なご縁、人とのつながりの中で、一つ一つ積み重ね、今の自分があると思っています。自身の成長を感じさせてくれるバレーボールというスポーツに出会えて幸せな競技人生でした」
「まず、私を受け入れてくださったヴィクトリーナ姫路のチームメイト、スタッフ、関係者の皆様。昨シーズンはV2リーグ優勝、今シーズンは天皇・皇后杯でチーム初となる優勝を皆様と分かち合えたことを非常に嬉しく思います。これまで長く積み上げてきた土台があってこその結果であり、全員で掴み取ったあの頂の景色は今もこれからも忘れません。また、日頃よりヴィクトリーナ姫路を支えて頂いているスポンサー様、後援会の皆様をはじめ関係者の皆様へこの場をお借りして改めて感謝の想いを伝えたいです。こうして当たり前のようにバレーボールができる環境が成立しているのは、皆様のご尽力の賜物です。ありがとうございます」
「そして、どんな時でも応援して下さるファンの皆様。皆様の温かさに触れ、背中を押してくださり、数々の勇気をもらいました。ヴィクトリーナ姫路のアットホームな温かい応援が私は大好きです。残り試合少なくなってきたなかで、ひとりでも多くの皆様に会場で、そして配信を通じて、私のプレーを観て頂きたい、そしてお礼を伝えたいと考え、発表させていただきました。シーズンも終盤になり、このメンバーで戦えるのもあとわずかです。皆様と一緒に最高の景色を見れるように、自分を、仲間を信じて頑張っていきますので、引き続き会場で、配信でご声援をよろしくお願いします」
「最後に、前所属チームであるSAGA久光スプリングスでは、最高の環境下でトップレベルの技術、戦術、プロとしてあるべき姿を学ばせていただきました。また、長年の夢であった海外挑戦も背中を押してくださり本当に感謝しています。加えてフランスのSaint-Raphaël 、代表、それまでのカテゴリーといろいろなチームを経験しました。その中で一緒に戦ってくれた選手の皆さん、たくさん教えてくださった先輩方、選手を1番に考えて接してくださったスタッフの方々にも振り返ると改めて感謝の気持ちが込み上げてきます。ありがとうございました。現役引退という選択をしたからには、自分が選んだ道を正解にできるよう、これからの自分の人生をより鮮やかにできるよう、やりたいことをやるために、まだまだ突っ走っていきます」