女子のU19、U21日本代表の候補選手による紅白戦が3月15日(土)、SAGAアリーナ(佐賀)で実施され、同会場で催される2024-25 大同生命SVリーグのSAGA久光スプリングスvs.NECレッドロケッツ川﨑の試合前に観客の前でゲームを披露した。
今回の紅白戦は佐賀県で実施していた選考強化合宿の一環として設けられ、U21日本代表の山口祐之監督(株式会社デンソー)は「こうして公の場でアンダーエイジカテゴリーの活動をさせてもらえるのはとてもありがたいことです。(それぞれの)世界選手権にむけて“選手たちはこのように頑張って、世界と戦ってきます”というものをアピールできればと考えていましたし、彼女たちには『バレーボールを通じて、見ている方々に感動を与えられるようなプレーを見せられるように頑張ろう』と伝えました」と語る。試合はU21を中心とした「TEAM WHITE」とU19の「TEAM RED」による3セットマッチで行われた。
第1セット序盤は「U21のほうが緊張して試合に入っていましたね(笑)」(山口監督)と、TEAM WHITEによる4連続得点でスタートする。それでもTEAM REDは19-23から大森咲愛(金蘭会高校〔大阪〕3年)がレフト、西村美波(金蘭会高校〔大阪〕3年)がライトから高い決定力を見せるなど5連続得点で逆転に成功。TEAM WHITEにセットポイントを二度にぎられるも、25-26から3連続得点をあげて第1セットを奪った。

第2セットはTEAM WHITEが、「左利きを生かした回転の違うサーブは自分の武器」と話す忠願寺莉桜(東九州龍谷高校〔大分〕1年)のサービスエースでたびたびブレイクを奪い、最大9点差まで引き離す展開。だが第1セット同様に、中盤以降はTEAM REDが大森を中心に得点を重ねると、21-22から河本菜々子(青山学院大学1年)のサービスエースで同点とする。終盤の競り合いの末、TEAM REDが26-24で第2セットを獲得した。

最終3セットは当初15点制で設定されていたが、SVリーグの試合開始時刻との兼ね合いもあり、規定時刻で打ち切りの形式が採られる。その第3セットは馬場柚希(金蘭会高校〔大阪〕2年)のクイックと工藤光莉(古川学園高校〔宮城〕1年)のアタックが光ったTEAM WHITEが10-9とリードしている時点で試合終了となった。
昨年のU18、U20それぞれのアジア選手権準優勝メンバーが引き続き名前を連ね、各年代でトップを走る選手たちばかりとあって、紅白戦は白熱した内容となった。と同時に、会場のSAGAアリーナが8000人を超える観客を収容でき、大型国際大会も開催可能な施設である点に、出場選手たちは興奮を隠せず。忠願寺は「世界大会と同じ雰囲気を感じましたし、ワクワクした気持ちで試合に入りました。勝ち負けもあったのですが、楽しくプレーできました」と振り返り、U21日本代表でキャプテンを務める熊谷仁依奈(筑波大2年)は「ほんとうに大きな会場で迫力がありました。最初は少し緊張したのですが、いざ始まるとプレーしやすかったです」と感想を語った。

SAGAアリーナでの紅白戦は翌16日(日)も実施され、チームはここから5月と6月に短期間での合宿を行う予定。今回の紅白戦に出場した選手以外にも、すでにSVリーグに帯同している面々などメンバー候補はいるとのことで、山口監督も「まだまだ確定していませんので、ここから合宿の中で決めていくことになります。世界で勝負できるメンバーがそろっている世代だと思いますが、もちろん国際大会で結果を出すのは簡単ではありませんので。彼女たちが持っている力をいかに発揮させられるか、残りの数ヵ月でいかに成長させられるか、に励んでいきます」と意気込んだ。
なお、女子U19世界選手権は7月3日〜13日にオシエク(クロアチア)とベオグラード(セルビア)で、女子U21世界選手権は8月7日〜17日にスラバヤ(インドネシア)で開催される。