7日、日本バレーボール協会(JVA)が川合俊一会長からのメッセージを発表した。

 バレーボール男子日本代表、バレーボール女子日本代表、ビーチバレーボール女子日本代表が出場したパリ2024オリンピック(パリ五輪)。それぞれメダル獲得はならなかったものの素晴らしい戦いを披露し、男子は準々決勝で男子イタリア代表に敗れたもののあと一歩のところまで追い詰めていた。

 その戦いは大きな称賛を集めた一方、SNSを中心に選手への誹謗中傷の声も散見されることに。男子日本代表の小野寺太志も自身のSNSで誹謗中傷があったことについて言及する事態となっていた。

 そうした中、JVAは川合会長のメッセージを掲載。「パリ2024オリンピックに出場するアスリートに愛のある応援を」と題した声明を発表し、自身の経験も踏まえ、選手たちへの愛ある応援を求めた。

「パリ2024オリンピックも13日目を迎え、TEAM JAPANの連日の活躍に盛り上がりを見せています」

「バレーボール競技も、バレーボールの男子と女子、ビーチバレーボール女子の3種目に出場し、それぞれの戦いを終えました。日本から、現地から、世界各国からの応援、ほんとうにありがとうございました」

「会場やテレビの前での応援はもちろん、SNSを通じた応援もアスリートたちの大きな力となりました。SNSのコメントやメッセージは形に残ります。頂いたメッセージを試合の前に何度も読み返して大事な瞬間に臨むアスリート、試合後に一つひとつ丹念に目を通して明日への活力につなげるアスリートがいます。時には厳しいお言葉もあるでしょう。しかし、愛とリスペクトのこもったメッセージであれば例えそれが批判であっても、選手力向上に向けたスパイスとなり選手にとっての活力になります。そういった皆さんからのメッセージはいつでも大歓迎だと思っています」

「一方で、怒りに任せた暴力的なコメントやアスリート本人の尊厳を傷つけるようなメッセージ。悪口をいうことで人を傷つける行為、いわゆる『誹謗中傷』を見過ごすことはできません。パリ2024オリンピックの期間中にも多くの話題となっていますし、残念ながらバレーボールに関するものも散見されます」

「私も球技経験者です。生身の人間が体を動かし咄嗟の判断と瞬発力、そして互いの呼吸でプレイする球技では、百発百中の成功はありません。今日の試合で最高の出来だった選手も次の試合ではミスをする。今日の試合でミスを連発した選手も次の試合では最高のプレイを繰り出して勝利に貢献する。うまくいく日、いかない日、誰にでも同じようにそういった日が巡ってくる。だからこそ、一人ではなく全員でお互いをカバーしながらチームとしての最高のパフォーマンスを追求する。そこにドラマと感動が生まれます」

「ひたすら追いかけてきたオリンピックという舞台で、国の威信をかけて戦うことができる高揚感、そして胃が痛くなるような緊張感。オリンピックで戦うアスリートたちを襲うプレッシャーには計り知れないものがあります」

「どうか、誇りを胸に精一杯戦っているアスリートたちに、競技をこえて、敵味方をこえて、愛のある応援をよろしくお願いいたします」

 今大会では、バレーボールに限らず選手たちへの誹謗中傷は大きな問題となっている。大会も残りわずかとなっているが、オリンピックに出場するすべてのアスリートに対して「愛のある応援」が届くことを願うばかりだ。