28日、一般社団法人SVリーグ(SVL)は、27日に行われた2024-25 大同生命SV.LEAGUE MEN CHAMPIONSHIP SemiFinals GAME3 サントリーサンバーズ大阪 vs ウルフドッグス名古屋の試合において、ルール適用に誤りが発生したことを報告した。
両者1勝1敗で迎え、勝者が決勝へと進むことができる準決勝の最終戦。アウェイのWD名古屋が1セット目を先取したものの、そこから攻勢に転じたサントリーが3セット続けて奪い、セットカウント3-1で勝利していた。
ルール適用の誤りが発生したのは第4セットの終盤。サントリーにマッチポイントを握られた状況から、WD名古屋がニミル・アブデルアジズのサーブで崩して一気に同点に追いつく。
その後25-25の場面で、一度はWD名古屋のティネ・ウルナウトのスパイクがアウトの判定となりサントリーの得点となるが、WD名古屋のチャレンジが成功。サントリーの髙橋藍のブロックタッチが確認されたため、サントリーの26点目が取り消されるとともにWD名古屋に26点目が与えられた。
だが、チャレンジの判定時に試合会場の大型ビジョンに映し出された映像に、これまでは示されることが多かった該当箇所を囲む丸の印が映っていなかったこともあり、WD名古屋の選手たちがノータッチ判定と誤解。本来レフェリーの判定に対して疑問がある場合はゲームキャプテンを通じてのみ説明を求めることができるが、WD名古屋の選手たちは主審に対して抗議を行い、その中で主審に詰め寄った水町泰杜にレッドカードが提示された。
SVLによると、水町へのレッドカードにより、競技規則上ではペナルティとしてサントリーに1点とサーブ権が与えられるはずだったが、ここでレフェリーからスコアラーズテーブル(ジュリー・スコアラー・3rdレフェリー)に対して共有が無かったため見逃されてしまったという。
また、水町へのレッドカード提示の際に選手およびチームに対しての対話、説明が不足していたことでWD名古屋の選手のさらなる抗議を誘発してしまったとしつつ、その中でニミルによる”無作法な行為”が確認されたことで、主審はニミルに対してもレッドカードを提示。ニミルへのレッドカードに対するペナルティについては公式記録にも正常に記録され、ジュリーより場内にアナウンスがされると共に、サントリーに1点とサーブ権が与えられたという。
結果的に、サントリーの26点目に対するWD名古屋のチャレンジ要求が成功したことでサントリー 25―26 WD名古屋となった上で、ニミルへのペナルティのみが適用され、サントリー 26―26 WD名古屋で試合が再開。水町へのレッドカードに対するペナルティは適用されず、サントリー側からのジャッジカンファレンスもなかったため、サントリーへの加算が1点が不足したまま試合が再開されてしまったということだ。
なお、WD名古屋の抗議の発端となった判定映像について、SVLは「シーズン開幕前のレフェリーに対する研修会では、判定映像の該当箇所を拡大して表示する際に、最初から拡大してしまうとプレー全体の流れが分からなくなるため、ループ映像の1回目はボールの動きを全体的に見せたうえで、ループ2回目の際にポイントとなる部分に印をつけ、さらに今回のケースのようにわずかにボールに触れている場合は映像を拡大して投影するようにレフェリーに対して通知している。実際には分かりやすい映像の際は、印をつけないもしくはループ1回目から印をつけることもある。今回もその運用の通りチャレンジレフェリーからチャレンジオペレーターに対して指示があったため上記のように判定結果映像を作成して投影した」と説明。必ずしも印をつける必要はないことを明かしている。
また、今回の事象の原因について、「WD名古屋の選手はチャレンジのループ映像の1回目に必ず印をつけられるものと誤解していたこと」、「水町選手へのレッドカード提示の際に、レフェリーとスコアラーズテーブルの間で十分なコミュニケーションが行われなかったこと」、「ジュリーが行った場内アナウンスに対し、レフェリーおよび両チームから異議申し立てが行われなかったこと」、「2点加算されるべきところ、1点の加算に留まったことに対して、サントリーからジャッジカンファレンスの要求がなかったこと」の4つを挙げている。
その上で、記録上の取り扱いについては、「試合は成立していることから、会場で記録された公式記録に合わせて第4セットの得点をサントリー 28―26 WD名古屋とする」とした。
SVLは今回の事象について、「当該クラブの皆様、ファンの皆様ならびに関係者の皆様にご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。また事案の発覚後、事実確認を慎重に行っていたため、発表までに時間を要したこともあわせてお詫び申し上げます」と謝罪。「今後の再発防止に向け、競技運営面の改善を図ってまいります」と改善を誓った。