大阪マーヴェラスが大同生命SV.LEAGUE WOMEN(SVリーグ女子)の初代女王に輝いた。
昨季のV.LEAGUE DIVISION1ではレギュラーラウンドで22勝0敗と圧倒的な強さを誇りながらも、V・ファイナルステージでNECレッドロケッツ(現・NECレッドロケッツ川崎)に敗れ、女王の座を逃した大阪MV。
今季のSVリーグでもレギュラーシーズンを抜群の安定感を持って優勝すると、チャンピオンシップのファイナルでNEC川崎と対戦。GAME1、GAME2いずれもセットカウント3―0とストレートで完勝し、見事初代女王の座を掴んだ。
SVリーグになり、レギュラーシーズン44試合に加えてチャンピオンシップ6試合の計50試合を戦い抜いた大阪MV。優勝直後の会見で選手たちが転機だったと明かしたのは、4月25日に行われたチャンピオンシップセミファイナルでのデンソーエアリービーズとのGAME1だった。
主力の林琴奈が「セミファイナルの1試合目は0-3で負けての巻き返しでした」と言うように、大阪MVはデンソーにまさかのストレート負け。それでもGAME2ではサーブが改善され3―1で勝利すると、GAME3でも勢いそのままにストレート勝ちを収め決勝進出を決めていた。
林はそのデンソーとのGAME1について、「結果論で言えますが、その負けで自分たちがやるべきことが明確になった。その試合があって、チームもどんどん一つになれた。決勝でもその経験があったからプレッシャーの中でも一人ひとりプレーを出し切れたと思う」とチームにとって大きな意味があったと明かした。
それはキャプテンの田中瑞稀にとっても同じだったようで、「負けはしましたが、自分たちが何をしないといけないかが明確になり、学ぶことがたくさんあった。負けられないと思うとどうしても固くなり、プレーが小さくなってしまっていた。気持ちでも1点1点楽しむ、自分たちのバレーボールをしていこうと再確認できた」と吹っ切れたと語った。
そして、その意識はリベロの西崎愛菜にも。「レギュラーシーズンで2敗した相手だったので、セミで勝ち切れたことは自信になったし、決勝での勝利につながったと思う」と、レギュラーシーズンで唯一連敗を許していたデンソー相手に修正力で勝利をもぎ取ったことがチームとしての自信を高める要因になっていたという。
ファイナルでは、強敵のNEC川崎を一切寄せ付けず、圧倒的な強さを見せた大阪MV。敗戦から得た経験や修正力もその強さの理由の一つだったようだ。