[写真]=金田慎平

 一般社団法人SVリーグ(SVL)の大河正明チェアマンが13日、SVリーグの試合形式に関する説明を行った。

 2024年10月に装い新たに始まったSVリーグ。5月初週に行われたチャンピオンシップ(CS)で男子はサントリーサンバーズ大阪、女子は大阪マーヴェラスが初代チャンピオンの座を掴んだ。

 盛り上がりを見せたSVリーグだが、リーグの選手や指導者から、レギュラーシーズンの試合数や対戦カードの平等不平等に関する意見がSNS等を通して上がってきており、それを受けて大河チェアマンは今回の説明を実施。話題になったタイミングはCSが行われていた4月後半だったため、シーズンが終了したこのタイミングでの説明を行ったということだ。

 大河チェアマンは、①44試合(レギュラーシーズンの試合数)②平等な対戦(レギュラーシーズンでの対戦数がチームで異なる点)③土日連戦④奇数クラブ(SVリーグのクラブ数を偶数で固定している点)⑤CSの方式・期間の5つについて説明を行った。

 まず、44試合というレギュラーシーズンの試合数については、「バレーはクラブのシーズンの期間が決まっており、レスト週やチャンピオンシップの期間も踏まえてチームと議論して、22週末の44試合でリーグ戦を行うと決めた」と説明。「他国を見ても、イタリアは最大54試合、ポーランドも最大57試合でそこまでの差はない」との認識を示した。

 そして、対戦カードの不平等については、「ラグビーやBリーグでも不平等のシーズンがある。またアメリカのMLBなども不平等で珍しいことではない」としたうえで、「MLBなどはチャンピオンシップは長めにとっており、SVリーグももう少し長くできないか」という考えを持っていると明かした。また、クラブとも「12チームの場合は(44試合なので)割り切れるが、それ以外の場合は不平等になる」ことも理事会で合意できているということだ。

 土日の連戦となることについては、「他国では平日開催も行われているが、チームの遠征費や審判の確保等を考慮すると、SVリーグで今すぐには物理的にできない。将来的には考えている」と、現時点で平日開催の習慣化は難しいとの見解を示している。

 そして、SVリーグのクラブ数については、「偶数にするということは理事会で決めている。土日に試合を行っている日本で奇数にすると、必ずどこかのチームが休息週になる。ホームゲームの数を確保することはクラブの大事な要件なので、そこは難しい」としつつ、「(問題解消のために)考えていきたい」と、リーグとしても対策を考えていくようだ。

 最後に、CSの方式と期間については、期間の短さについて指摘したトーマス・ジェスキー(大阪ブルテオン)と「近い認識を持っている」とし、「もう少しレギュラーシーズンを短くしてチャンピオンシップを増やしていっても良い」と将来的な変更を示唆した。一方で、「一番の問題はアリーナを確保できないこと」と説明。CSは直前に対戦カードが決まり、アリーナのキャンセルコストも莫大なため、一筋縄ではいかないようだ。

 また、男子ファイナルの会場が有明アリーナとLaLa arena TOKYO-BAYの2カ所になったことについては、「私がチェアマンになる前から有明アリーナを5月2日(金)、3日(土)、4日(日)の3日間で確保していた。ただ男女2試合を同日に行う場合は平日の2日の昼にどちらかの試合を行う必要があった」と明かし、「当初は有明アリーナで4日目を確保できなかった中、LaLa arena TOKYO-BAYからお声がけいただいて決断した」と、ファイナルの舞台をより多くの観客に見てもらうための判断だったようだ。

 さらに、大河チェアマンは議題以外に選手会についても言及。実名こそあげなかったものの選手会の発足を選手に提案したことを明かし、今後さらに選手と対話していく姿勢を示した。

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VOLLEYBALL KING 編集部

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