バレーボールアジアチャンピオンズリーグ男子ジャパン2025(ACL)は、会場を島津アリーナ京都に移し、15日に準々決勝が行われた。プールAを1位で勝ち上がったサントリーサンバーズ大阪は、プールD2位のムハッラク・クラブ(バーレーン)と対戦し、セットカウント3-0(27-25、25-20、25-9)で勝利した。
第1セットは相手の攻撃を阻めずデュースに持ち込まれたが、最後は小野寺太志が鋭いハイブリッドサーブを打ち込み、髙橋藍のスパイクでブレイクして接戦を制した。
ミドルブロッカーの小野寺は今大会、クイック、ブロックだけでなくサーブも好調。グループステージでは2戦とも、第1セットの25点目を小野寺のサービスエースで締めくくっていた。この日も第1セットの最後の得点につなげ、「狙いを持ってサーブを打てていた」と自信を漂わせた。
「僕がサーブを打つローテーションは、大宅(真樹)が前衛で、ディマ(ドミトリー・ムセルスキー)やオレク(アレクサンデル・シリフカ)が後衛にいて、ブロックが強いローテーションではないので、アグレッシブに攻めてもいいかなと。1セット目は、最初は5(相手コートのバックレフト)の方向にサーブを打って相手にその意識を植え付けた上で、1(バックライト)のほうで崩そうという狙いがあって、それが最後、結果的にブレイクにつながってよかったなと思います」
第2セット以降もサーブで攻め、エースも奪った。今大会でサーブが好調な理由を小野寺はこう語る。
「今まではどうしてもミスをイメージしすぎていた。『ミスしてしまったら……』というネガティブなイメージが強かったので、改善していかないとな、と思っていました。でも今大会は……そうやって迷ってる場合じゃないというか。大宅(真樹)とかは今大会で退団することになっていて、最後だなという思いがあるので、やっぱり試合を楽しむことがベースにある。だからミスにあまりとらわれなくなったことが、いい結果につながっているのかなと思います」
セッター大宅とは同い年で、小野寺が昨季JTサンダーズ(現・広島サンダーズ)からサントリーに移籍して2シーズン、堅い信頼関係で成り立つコンビで、共にリーグ連覇を成し遂げた。
「僕が移籍してきた理由は、大宅と一緒にやるためと言っても過言じゃない。ユース時代から一緒にやっていて、技術が高く、サントリーでも結果を残していたセッターだったので、一緒にやりたいなと思って。
その選手がいなくなってしまうのは寂しいし悲しいですけど、プロの世界なので、こういうことはもちろんあると思うし、僕もいつまでサントリーにいられるかわからない。次は対戦することだったり、またいつか同じコートに立ってプレーできることを楽しみに、それまでにレベルアップしてまた会えるようにしたいなとは思います。まずはこの大会を、このメンバーでできることを、楽しみたいというのがありますね」
準々決勝に勝利したことで、このチームであと2試合戦う権利を得た。
17日に行われる準決勝の相手はアル・ラーヤン(カタール)。今季SVリーグのウルフドッグス名古屋でプレーしたニミル・アブデルアジズやティネ・ウルナウト、イタリアのセリエAでベストスコアラー、ベストスパイカーに輝いたマリ出身のノーモリー・ケイタらを擁する強敵だ。
この試合に勝利すれば、決勝進出が決まると同時に、世界クラブ選手権の出場権が得られる。見逃せない大一番だ。