パリ2024オリンピック(パリ五輪)後の現役引退を発表していたバレーボール女子日本代表の古賀紗理那(28)が、東京都内で引退会見を実施した。
古賀は、熊本信愛女学院高校から2015年にNECレッドロケッツ(現・NECレッドロケッツ川崎)に入団。V・プレミアリーグで最優秀新人賞を受賞すると、2016-17シーズンにはチームの優勝にも大きく貢献するととともに、最高殊勲選手賞を受賞した。さらに、2022-23シーズンからは2年連続で皇后杯とV1女子で2シーズン連続でチームを優勝に導くとともに、最高殊勲選手賞を受賞していた。
また、2013年にデビューを飾った女子日本代表では、2016年のリオ五輪には出場しなかったものの、2021年の東京五輪に出場。その後は日本代表キャプテンも務めると、6月に行われたネーションズリーグではベストアウトサイドヒッターに選ばれる活躍を見せ、女子日本代表初の銀メダル獲得に貢献していた。
その古賀は、パリ五輪前に大会後の現役引退を発表。パリ五輪では予選ラウンド敗退に終わり、現役を退くこととなった。28歳での現役引退となったが、引退は東京五輪後に決めていたことだという。
「東京オリンピックの後にパリで主将をやると決めた時から、パリオリンピックで選手は引退するというのを決意してここまで練習と試合をしてきました」
早い段階で引退を決意した理由については、事前にゴールを設定しておきたかったとのこと。東京五輪からパリ五輪までの3年間はとにかく走り続けたことを明かした。
「私自身がいつまでやるか分からない状況でプレーするよりも、ここまで走り切ると決めてプレーしたいという思いが一番強くありました」
「本当は東京オリンピックが終了したあたりから気持ちも落ちて、このメンタルで日本代表にはいけないなという気持ちもありましたが、自分の中で葛藤もあって、キャプテンをやると決めてからはパリまでずっと先頭に立って引っ張っていきたいという気持ちにまたなったので、パリまでは全力で走り続けようという気持ちでやっていました」
東京五輪からの3年間、NEC川崎で素晴らしい結果を残した古賀。その期間の成長については自身でも手応えを感じていた一方で、代表ではキャプテンという役職の難しさを感じる場面もあったようだ。
「所属チームの時は私自身が成長することだけにフォーカスしてずっと過ごせたので、本当に自分が成長しているなというのをすごく感じましたし、私自身が一番、自分自身の成長を楽しんで過ごせた3年間だったなと思っています」
「日本代表では、キャプテンとして勝手に自分で背負い込んでしまって、気持ち的に大変な部分もたくさんあったんですけど、話を聞いてくれる仲間だったり、所属チームのみんなだったり、本当にたくさんの方に支えられて、 3年間なんとかやってこれたかなと思っています」
そんな日本代表という場所の厳しさについて古賀は赤裸々に告白。それでも国内外のファンからの声援は大きな力になったという。
「正直日本代表はとってもきつかったです。海外も転々としますし、日本代表として戦うことは責任のある立場でもあるんですけど、日本のファンの方はもちろん海外のファン方に日本チームに多くの声援を送ってくださって、ホームじゃないのにホームのような雰囲気を作ってくださっていたので、そこはとても感謝しています」
また、古賀は今後についても言及。「今後については全く考えていませんけど、少しでも自分にできることがあれば、今までずっとお世話になったバレーボールに還元できればいいなと強く思っています」と、バレーボール界に携わっていく意思を明かすとともに、「夫のお世話を頑張りたいなと思っています」と、2022年に結婚を発表した男子日本代表の西田有志(大阪ブルテオン)との結婚生活についても淡々と話した。
引退会見には、その西田も登場。壇上に上がり夫婦での2ショットも実現し、古賀に労いのメッセージを送っていた。
「僕の奥さんになっていただいて、長い現役生活お疲れ様でした。自分はまだまだ現役を続けていきますけど、引き続き自分たちでいい家族を築き上げていければと思います。お疲れ様でした」