バレーボールアジアチャンピオンズリーグ男子ジャパン2025(ACL)は17日(土)に準決勝の2試合が実施された。第一試合ではサントリーサンバーズ大阪がアル・ラーヤン(カタール)と対戦し、2―3(25―22、22―25、25―23、23―25、15―17)で敗れた。
上位2チームに授与される世界クラブ選手権の切符を懸けた準決勝は、両チームが一歩も引かない攻防が毎セットで繰り広げられる。フルセットにもつれ込む熱戦は最終第5セット、12-14の窮地に立たされたサントリーが同点に追いつくも、最後は15-15からアル・ラーヤンがニミル・アブデルアジズのバックアタックとティネ・ウルナウトのサービスエースで終止符を打った。
試合後、「経験の差が出た」と敗因を語ったのはサントリーの髙橋藍。取るべき場面でアル・ラーヤンが「得点することができた」(ルイス・セルジオ・クーニャ監督)一方で、髙橋が振り返るに「相手を意識しすぎて、自分たちのバレーボールを見失うシチュエーションが多かった」。
そんななかでも、戦況に左右されず力を発揮したのがサントリーの甲斐孝太郎だった。すべてのセットでリリーフサーバーとして起用された、この日の“甲斐キャノン”。
第1セットは22―22から投入されてブレイクに成功したのち、セットポイントからサービスエース。逆に第2セットは20―24と相手のセットポイントで一度はブレイクするも最後はサーブがアウトとなる。それでも第3セットは21-22から同点に追いつくサーブポイントを決めてみせた。そうして第4セットは23―24で、第5セットは10-12で、といずれもセット終盤の競り合った場面で出番がやってきた。ただ、本人はあっけらかんと言う。
「点差が離れて、それも自チームが勝っている状態だと、自分の気持ち的にどこか緩んでしまうんです。なので、劣勢や接戦の方が個人的には好きかなと」
さらに言えば、リードしているのが自分たちでも相手でも関係ない。ぐっと気が締まるシチュエーションであれば、あとは自分の務めを果たすのみ、というわけだ。
この準決勝では相手にアル・ラーヤンのニミル・アブデルアジズやティネ・ウルナウトら、2024-25 大同生命SVリーグでしのぎを削った面々がプレーし、サーブで得点を重ねていた。その姿を見て、サーブを強みとする甲斐は言葉に力を込めた。
「彼らは終盤に必ず、サーブの本調子を持ってくると感じます。今日も最後はウルナウト選手が思いきり、サーブで点を取りにきました。やっぱりすごい選手だなと」
「この大会はいろんな選手を知れる機会だとも思っています。まだ明日1試合残っていますし、いろんな選手を観察して、いいところを自分のものにしたいです」
世界を肌身で感じられる舞台で、自身の武器をさらに磨いていく。