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 バレーボールアジアチャンピオンズリーグ男子ジャパン2025(ACL)は17日(土)に準決勝の2試合が実施された。第二試合では大阪ブルテオンがフーラード・シールジャーン・イラニアン(イラン)と対戦し、3―1(25―19、19―25、25―18、25―19)で勝利した。これによって今大会の上位2位が確定した大阪Bは、世界クラブ選手権の切符を獲得している。

 大阪Bは2024-25 大同生命SVリーグ閉幕をもってエースのトーマス・ジェスキーが退団し、今大会には参加せず。そこで先発起用されたのが今季、東レアローズ静岡から移籍加入した富田将馬だった。ロラン・ティリ監督が明かすに「今季に臨むにあたって、いちばん初めに声をかけた」のが富田であり、実際にシーズン中にもジェスキーをケガで欠いた時期には富田が代役をまっとうしていた。

 その富田は今大会、予選から準決勝までフル出場。そこでは「クラブは世界一を目指しているので。これからもさらにチームは強くなっていかなければいけませんし、個人としても挑戦しなければという思いで頑張っています」と意気込んでいるが…同時に難しさも感じている様子だ。

「こうして自分のいいプレーを継続するのはとても難しくて。それに体のケアやアップの準備なども、さらに大事になってきます」

 アウトサイドヒッターとして攻撃面はもちろんだが、やはり守備とりわけサーブレシーブでは中心になる必要がある。準決勝では第2セット、相手のイアルバン・ヌガペトが放ったサーブに対して体をのけぞらせるようなかたちでエースを許した。

「とてもアグレッシブなサーブで、ボールを押し出してくるような、最後に伸びる打球でした。そこをキープできなかったのは自分の実力不足でした。また、おそらくはアウトになるボールを捕球してしまった部分もあって、そこは反省点ですね」

 ヌガペトといえばフランス代表の絶対的エースであり、五輪の2大会連続金メダリスト。最も危険な相手といえるだろう。その選手にサービスエースを奪われたことは痛手だった。けれども富田はすぐに立て直しに成功している。

「動揺してしまう部分はありましたが、一度、深呼吸をして落ち着いて。自分は練習から、パスを返すことでリズムを取り戻すようにしてきたので、そこにフォーカスしました」

 一方で攻めては、相手ブロックが何枚つこうとも、腕を振り抜く姿があった。富田は言う。

「打点やボールの通過点を落としてしまうと、ブロックシャットされてしまうので。長いコースにしっかりと打つことで、決まることはもちろん、リバウンドなどにつながると考えています。アタックの引き出しは今季、大阪Bに入団して増えたと感じていて。ライン方向へのブロックアウトやリバウンド、プッシュなどで得点も取れてきました。シーズンを通してやってきたことが、やっとプレーに表れているのだと思います」

 2024―25シーズンの集大成となる、このアジアチャンピオンズリーグ。残すは決勝のみ。そこでも富田は、これまでの戦いや日々の練習で培ってきた力を存分に発揮するに違いない。