バレーボールアジアチャンピオンズリーグ男子ジャパン2025(ACL)は18日(日)に3位決定戦が行われ、サントリーサンバーズ大阪はフーラード・シールジャーン・イラニアン(イラン)と対戦。3―0(25―15、25―15、25―18)で勝利し銅メダルを獲得、2024-25シーズンを締めくくった。
今大会でアジアの頂点に立ち、世界クラブ選手権に挑むことを目標としていたサントリー。だが準決勝で敗れたため、上位2チームに与えられる世界クラブ選手権の出場権を得ることはできなかった。大会最終日の3位決定戦に対するモチベーションの設定が難しかったであろうことは想像に容易いが、いかにして臨んだのか。サントリーの藤中謙也キャプテンは言う。
「目標にしていた場所ではなかったので。チームの一人一人が、100%すっきりした状態で3位決定戦に臨めたかと言われると、もちろん難しい選手もいたはず。ですが、このチームで戦うのも、これが最後。それに長いシーズンで、会場や配信などで応援してくれるファンの方々に自分たちの姿を見せられるのも、この試合が最後でしたから」
そうしてチームはSVリーグ王者の力を存分に発揮し、シーズン最終戦を勝利で飾った。3位表彰を終えたあとには、現役を引退する選手や今季限りで退団する面々が仲間から胴上げをされた。キャプテンの藤中も、その一人だった。
「飛ぶ瞬間、上げるのがちょっと下手だな、と思いながら飛んだのですが(笑)」と首をかしげつつ、内定選手時代を含めて10シーズンを過ごしたサントリーと仲間への思いをこのように語った。
「僕が胴上げされるとなれば、優勝したタイミングだとありえることだと思うんです。それが今回、退団というかたちで胴上げしてもらうとはイメージができてなかった。胴上げをしてくれて、送り出してくれたみんなには感謝しています。僕もバレーボールは続けますから、いろんなかたちでみんなに会ったりするでしょうし、そこではまた自分の存在感をみんなに届けられたらなと思います」
今季は手術の影響や、激しいチーム内競争を前に出場機会は決して多くなかった。それでも名門サントリーを象徴するような存在感をまとい、その姿は常にチームのそばにあった。その藤中が振り返る、今季もっとも“サンバーズらしさ”を感じた瞬間とは。
「どの試合にもいろんな思い出がありますし、よくもわるくもサンバーズらしさはいつもありました。そのなかでもファイナルのGAME1は記録にも、そして記憶にも残ります。2セットダウンからの逆転はサンバーズの強さ、と言いますか。不死鳥というチームのイメージどおりの試合だったのかなと思います」
次の戦いがまた始まるそのとき、藤中は別のユニフォームを着ている。そこでは、今季はかなわなかった全開プレーを見せてくれるだろう。まさに不死鳥のごとく。それがサントリーでプレーしていた、証しになる。