19日、欧州バレーボール連盟(CEV)の開催する欧州男子チャンピオンズリーグ(CL)の決勝が行われ、石川祐希が所属するペルージャはポーランドのザビエルチェと対戦した。
ヨーロッパの各国リーグの上位チームが集うCL。ペルージャはリーグラウンドをグループAの首位で通過。その後のモンツァとの準々決勝、ハルクバンク・アンカラとの準決勝に勝利し、決勝の舞台に駒を進めた。決勝の相手となるのは、準決勝でヤストシェンブスキ・ヴェンギェルとのポーランド対決を制したザビエルチェだ。
ペルージャはアウトサイドヒッター(OH)に石川祐希とオレフ・プロトニツキー、ミドルブロッカー(MB)にアグスティン・ロセルとセバスティアン・ソレ、セッター(S)にシモーネ・ジャネッリ、オポジット(OP)にワシム・ベンタラ、リベロ(L)にマッシモ・コラチをスターティングメンバーに起用した。
対するザビエルチェは、OHにバルトシュ・クウォレクとアーロン・ラッセル、MBにマテウシュ・ビエニエクとミウォシュ・ズニシュチョウ、Sにミゲル・タバレス、OPにカロル・ブトリン、Lにルーク・ペリーという布陣で臨んだ。
第1セット、スタートから両者ボールを落とさず見ごたえのあるラリーが展開される。序盤の石川のサーブターンでブレイクに成功したペルージャが6ー3と前に出る。石川はパイプ攻撃や鋭いスパイクで得点を重ね、中盤までペルージャ先行で試合が進むが、徐々に追い上げを見せるザビエルチェが15ー14と遂に1点差まで詰め寄る。それでも同点に追いつくことは許さないペルージャは、終盤も僅かなリードを保って試合を進める。
リリーフサーバーで出たヘスス・エレーラ・ハイメがサービスエースを決めて大事な追加点を決めると、直後にプロトニツキーがブロックを決めてペルージャがセットポイントを握る。土壇場で追い上げを見せるザビエルチェを振り切ったペルージャが25ー22でまずセットを先取する。
第2セットは序盤からサーブでペルージャの守備を崩したザビエルチェがリードする展開に。石川は難しい体勢からのトスをきっちりと決め切り、点差を広げさせない。しかし強烈なサーブで石川がサービスエースを取られ5-8と離されたところで早めにタイムアウトを取るペルージャベンチ。そこからじわじわと得点を重ね、粘りのラリーを制して1点差まで追い上げ、相手のスパイクミスもあり10ー10と同点に追いつく。
一度は前に出たペルージャだが、そこから3連続ポイントを許し15ー17と再び追いかける試合展開に。しかし終盤、ラリーとなったボールを石川が巧く決め切り20ー20に追いついたペルージャが流れを掴み、ベンタラが2連続でサービスエースを決め22-20とリードする。勢いそのままに得点を重ねセットポイントを握ったペルージャ、最後はザビエルチェのサーブがアウトになり、1セット目と同じスコアでセットを連取する。
注目の第3セット、スタートは一進一退の攻防になるが、コンビネーションミスが出たザビエルチェの隙を突いたペルージャが僅かに先行して試合が進む。しかしラッセルが石川とプロトニツキ―の間を狙ったサーブでエースを取るとザビエルチェが11-11の同点に追いつく。そこから互いに点を取り合い、終盤どちらが前に出るかというところでザビエルチェが4連続ポイントを奪い15-17と2点差をつける。さらにこのセット途中からコートに立ったカイル・エンシングがサービスエースを決め、流れが一気にザビエルチェに傾く。その勢いをペルージャは止めることができず、最後もラリーを制したザビエルチェが20-25でセットを取り返す。
第4セット、強烈なストレートやクロスを打ち分けて得点を重ね、また3枚ブロック相手に冷静にブロックアウトを取る石川。序盤は一進一退の攻防が続く。サイドアウトが続いていた中、連続でラリーを制したザビエルチェが9-11と前に出るが、直後にペルージャもブレイクに成功。そこから中盤は再びサイドアウトを取り合い、両者ともに高い集中力を見せる。ペルージャがブレイクすれば直後にザビエルチェが取り返し、終盤も緊迫した点の取り合いになる。しかし石川のスパイクがアウトになりセットポイントを握られたペルージャ、最後もラリーを取り切れず22ー25でザビエルチェがセットを取り、勝負の行方は最終セットへ。
勝負が決まる第5セットは、ベンタラのサービスエースで幕を開ける。続く石川がサーブで相手を崩し連続ポイントを奪うと4ー1でペルージャがリードする。さらにラリーとなったボールをロセルがブロックで仕留めリードを広げる。ザビエルチェも負けじとそこから3連続ポイントを奪い追い上げを見せるが、ジャネッリ、プロトニツキ―のサーブで守備を崩されるとブレイクを許し、ペルージャが再び点差を離す。そして石川のサーブでブレイクしマッチポイントを握ったペルージャ。最後は長いラリーを制して15-10でゲームセット、欧州CLの王者の座を手にした。
決勝戦のふさわしい、激闘のフルセットを制して優勝に輝いたのはイタリアのペルージャ。最終セットは全員がサーブでザビエルチェを攻め、思うような攻撃をさせず試合を優位に進めて見事に勝利を勝ち取り、チーム史上初となる欧州CLの優勝トロフィーを手にした。
石川はすべてのセットに出場し、チーム2番目となる20得点をマーク。サーブレシーブで乱される場面もあったものの大きくは崩されず、要所のディグでもボールを繋いだ。さらに効果的なサーブを放ちブレイクを成功させ、勝利に貢献した。
■試合結果
ペルージャ 3ー2 ザビエルチェ
第1セット 25ー22
第2セット 25ー22
第3セット 20-25
第4セット 22-25
第5セット 15-10