[写真]=Getty Images

 パリ2024オリンピック(パリ五輪)が終わり、バレーボール男子日本代表と女子日本代表の2024年シーズンが終了した。選手たちは束の間のオフを過ごした後、所属クラブへと戻り、2024-25シーズンの開幕に向けて調整を進めていくこととなる。

 日本のバレー界が大きな盛り上がりを見せている中、国内では10月に大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)が開幕する。そのSVリーグでは日本代表で活躍した選手たちも多くプレー。今回はその中でも注目の5選手について紹介していく。

① 髙橋藍(サントリーサンバーズ大阪)

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 髙橋と言えばリベロ並みの守備力が最大の武器だ。パリ五輪でも日本代表チームでレセプションの返球率は1位を誇り、ディグの本数はリベロの山本智大に次いで2位だった。

 特に予選ラウンドの男子アルゼンチン代表戦のレセプション返球率は89%で、彼がサーブに触ればセッターに確実に返っていた。

 攻撃面でもパリ五輪でチーム内3位の得点を誇った。特に二段トスを打ち切るのが上手いスパイカーで、並の選手では敵コートに返すのが精一杯のトスでも強烈に叩き込むことができる。

 SVリーグでは、髙橋にしかできない魅せるプレーに注目してほしい。彼のプレーには観ていて楽しいアクロバットなものが多く、得意技であるフェイクセットや、強烈なスパイクをギリギリでつなぐディグ、背面ショットやキックレシーブなど、観客が大きく盛り上がるスーパープレーを得意とする。2023-24シーズンにはセリエAのベストレシーバーに選ばれるなど、世界トッププレーヤーのひとりである髙橋の強くて楽しいバレーボールに魅了されてほしい。

② 関田誠大(ジェイテクトSTINGS愛知)

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 関田はパリ五輪でセッターとして日本チームを指揮した選手。世界トップクラスのトスの精度と、強みでもあるクイックを積極的に使うトス配分で敵ブロッカーを翻弄した。

 そんな関田のSTINGS愛知での注目ポイントは、日本代表とは異なるトス配分だ。日本代表では、石川祐希というエースアタッカーに最後は託すトス配分だったが、スパイカー全員の攻撃力がエース級のSTINGS愛知では、日本代表よりも万遍ないトス配分になるだろう。

 STINGS愛知に新加入するアウトサイドヒッターのデファルコ(アメリカ)、ルカレリ(ブラジル)は、それぞれの代表チームで最多得点をマークすることも多い強力なスパイカーだ。さらにオポジットには日本代表の宮浦健人がいて、ミドルブロッカーにも日本代表でコンビを合わせ続けた髙橋健太郎と攻撃力が強みの村山豪がいる。

 どこを見ても世界トップクラスの選手しかいないドリームチームとも言えるSTINGS愛知を、世界最高峰のセッター関田がどのように操るかに注目だ。

③ 山本智大(大阪ブルテオン)

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 山本と言えば会場を沸かせるスパイクレシーブが最大の特徴。パリ五輪の準々決勝男子イタリア代表戦では、ブロックを抜けてきたスパイクを上げ続け、22本のディグという驚異の数字を記録した。これは、1試合あたりのディグ数としては全選手の中でトップの数値だった。

 試合が終わった後の選手同士の握手では、日本に勝利した3カ国のエース全員が、山本との握手の時には立ち止まって笑顔で話し込んでいた。山本は世界のエースたちが思わず笑ってしまうくらい、スパイクを上げまくる世界一のディガーだ。パリ五輪前のネーションズリーグでも同様に活躍し、大会のベストリベロに選ばれていた。

 その山本が昨季から所属している大阪Bは守備のチームだ。ミスが少ない緻密な守備から多彩な攻撃で得点するスタイルで、昨シーズンは天皇杯優勝とVリーグ準優勝を果たした。

 山本の役割は、日本代表の時と変わらずリベロとしてチームの守備をまとめて、とにかくボールを拾うこと。4年後のロス五輪を目指すことを決めた世界最強のリベロのさらなる進化から目が離せない。

④ 林琴奈(大阪マーヴェラス)

[写真]=金田慎平

 林は高い守備力と巧みな攻撃で女子日本代表を支えたスパイカー。特に守備での貢献度が高く、今年のネーションズリーグでは日本代表でトップのディグ本数とレセプションの返球数を記録した。

 そんな林の大阪MVでの注目ポイントは、外国人選手との補完性の高さだ。SVリーグでは外国人選手が2人まで同時に出場できるようになり、大阪MVには日本国籍を取得したフィリピン出身の蓑輪幸も所属している。

 林は高い守備力で外国人選手のレシーブの負担を減らし、攻撃に専念させることが可能だ。さらに、攻撃面でも林の速さと巧さのあるスパイクと、外国人選手の高さとパワーがあるスパイクの組み合わせは、敵にギャップを与えてアタック効果率を高め合うことになるだろう。

 林は攻守ともに海外選手との相性が抜群のプレイヤーだ。また、クラブでも代表でもチームを牽引する立場になっていく選手。林の技術が詰まったプレーはもちろん、勝ち切るためにチームを引っ張るアクションにも要注目だ。

⑤ 岩崎こよみ(埼玉上尾メディックス)

[写真]=金田慎平

 女子日本代表をセッターとして率いたベテランの岩崎。出産などを経て4年ぶりに代表に招集された2023年はB代表で活動していたが、オリンピックイヤーの今年、A代表の正セッターに大抜擢。パリ五輪の切符を懸けたネーションズリーグの予選ラウンドでは、全12試合にスタメン出場しチームをパリ五輪出場に導いた。

 岩崎のセッターとしての強みは、スパイカーだった自身の経験を生かしたツーアタックだ。隙あらば点を狙っていると本人も語っており、敵ブロッカーに自分もマークさせることでスパイカーを楽にしている。

 トスの特徴としては、偏りないバランスの良い配分で、コートの横幅を目いっぱい使ったトスで敵のブロックを左右に振っていく。

 埼玉上尾では、外国人選手の2枠をアウトサイドヒッターの選手を起用する可能性が高く、オポジットには攻撃に秀でた黒後愛も起用可能。サイドアタッカーの攻撃力が高く、岩崎の両サイドに大きく振るトスが生きるチームだ。

 セッターは選手寿命がスパイカーと比べて長く、年数を重ねるごとに巧くなるポジションだ。今年、ネーションズリーグでの銀メダル獲得に貢献し、オリンピックという大舞台を経験した岩崎。彼女の選手としての全盛期はこれからかもしれない。





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この記事を書いたのは

まつはす

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