[写真]=大塚淳史

 SVリーグ男子の日本製鉄堺ブレイザーズ(以下、ブレイザーズ)は、8月10、11日にイベント「VOLLEYBALL MATSURI 2024」を開催した。10日に堺ジュニアブレイザーズとパンサーズU15、中央大学と立命館大学の定期戦があり、10、11日には中国河北省の強豪チームである保定沃隷男子排球倶楽部(以下、保定)を招待して親善試合を行った。ブレイザーズはミドルブロッカー(MB)が所属選手のケガやコンディション等で人数不足だったが、中央大学の選手を借りて保定との試合に臨み、8月10日が3−1(25-20、25-19、21-25、26-24)、11日が3−1(25-20、25-19、15-25、25-15)と見事に連勝した。

 ブレイザーズ・保定戦の前に行われた、堺ジュニアブレイザーズとパンサーズU15は3−0でパンサーズU15が勝利、中央大学が立命館大学に3−0で勝利した。

MB不足で中央大から”助っ人”

”助っ人”として活躍した中央大学の2人 [写真]=大塚淳史
”助っ人”として活躍した中央大学の2人 [写真]=大塚淳史

 ブレイザーズにとっての新シーズン最初のプレシーズンマッチは、思わぬ状況で臨む羽目になった。昨シーズン終了後に、元日本代表の出耒田敬が引退、梅本鈴太郎が退団(つくばユナイテッドSun GAIAへ移籍)とミドルブロッカー(MB)が少なくなっていた。

 MBとしての新戦力、台湾の蔡沛彰は合流してばかり、日本代表のB代表の活動に参加していた渡邉晃瑠も合流して間もない。さらに、大ベテラン43歳の松本慶彦も今年3月に足首の靭帯を負傷してたこともあって万全を期してとそれぞれ出場を見送った。

 また、秋間直人は昨年大けがから復帰した最初の試合ということもあって11日の第3,4セットのみ出場した。竹元裕太郎1人のみが普通に出られる状態とあって、2日間とも中央大学の山根大幸、澤田晶がMBとして参加し、”助っ人”として見事に勝利に貢献していた。

 観客を入れての試合は、新シーズンに向けて初めて。MB不足という緊急事態ではあったが、ブレイザーズのファンを満足させる試合となった。

主力抜けたOHは安井が猛アピール、MB秋間が復帰戦で活躍

安井恒介がアピールに成功 [写真]=大塚淳史

 特にアピールをしていたのが、内定選手から数えて3シーズン目となる23歳のアウトサイドヒッター(OH)安井恒介。保定の高いブロックが立ちはだかろうと、安井はひるまず、コースを打ち分けて強打をコートに突き刺したり、後衛からの攻撃参加などで得点を決めていった。

 ブレイザーズは昨シーズン終了後に、主力OHの迫田郭志と樋口裕希がチームを離れた。安井への期待が高まっている中での見事な活躍だった。

 安井は10日の試合後場内インタビューで「自分は攻撃面で期待に応えたいと思っているので、切り返しからのパイプだったり、サイドアウトからの攻撃がしっかりとれたので良かったけど、守備面でまだまだ課題があるので、頑張っていきたい。(保定は)高さのあるバレーをしてきたので、なかなかシャットの場面が多かったり、ブロックに捕まったり、上から打たれたスパイクに対してなかなか対策が難しかったが、止めれるところは止めて切り返せて良かった」と振り返っていた。

 一方、11日の試合では約1年ぶりにファンの前でプレーしたのがMBの秋間。昨年9月の近畿6人制バレーボール総合男子選手権大会で負傷し、肘関節脱臼による橈骨頭骨折・内外側靭帯損傷の全治6カ月と診断された。そこから手術、地道なリハビリを重ねてついに試合に出られる状態まで戻った。第3セット、第4セットに竹元に代わってスタートから出場し、スパイク、ブロック、サービスエースと活躍を見せた。

 試合後の場内インタビューに登場した秋間は「久々の試合で緊張したけど、気合いで頑張りました。(ケガから完全復活?)大丈夫です。中央大学の2人が頑張っていたので僕も負けてられないなと第3、4セットはいつもより増してプレーしてました」と話し、新シーズンへの意気込みを問われると「まずケガをしないように、気をつけて体調管理をしっかりしたい」と言葉をかみしめていた。

山口キャプテン、新戦力パロンスキーとはSNSでやり取り

キャプテンの山口頌平 [写真]=大塚淳史

 今年もキャプテンをつとめる山口頌平は、新シーズン最初の公開試合となった保定戦について「大学生を入れたりとイレギュラーな試合ではあったが、自分のやってきたことというか、サイドを少し速くしたりとか、コンビの良い面はでていた。どうしても体格で劣るので、中国の高いブロックに結局シャットされる本数がかなり多かった。良い状況じゃない時に、あっちの良いブロックに対しての打ち方だったりカバーだったりとかは良い経験になった。チームとしては、パスが返った時のコンビはいいけど、苦しい状況でどうラリーするか決めきるかを詰めていければ」と課題を口にした。

 一方で、活躍した安井について「今のところは日本人スパイカーでは、スパイク面では一番信頼している。昨シーズンからスパイク面ではチーム内では認められつつあった。どうしても守備面というところで、出場機会が少なかった。本人も守備面が課題というのはわかっていて、この夏場もよく取り組んでて、今回の試合では大きく崩れることはなかった。スパイク面ではチーム内から信頼を得ている。あとは自分がいかせられたら」と期待した。

 また、中国のチームとの国際試合、中学生年代、大学生の試合も楽しめる取り組みとなった「VOLLEYBALL MATSURI」については「中国には遠征したことはあるが、この時期に海外クラブと日本で有観客でやれるのは、僕が(ブレイザーズに)来てから初めて。お盆前でもある程度のお客さんが来てくれましたし、お客さんの前でプレーするというのはやっぱり嬉しいこと。こちらもテンションが上がる。こういった取り組みはありがたい」と感謝していた。

 いよいよ新しい国内リーグ・SVリーグの開幕がせまってきている。

「国内、国外からも日本代表の人たちの活躍もあって、SVリーグが注目されるんだろうなとは感じる。うちには日本代表のメンバーはいないけど、世界的に有名な外国人と対戦できることは楽しみなこと。そういった相手に自分らがどうやれるか。しっかりこの夏場にチームとして力を付けたりとか、ブレイザーズの外国人たちがここから(チーム練習に)加わってプラスになっていき、全日本組がいる相手にどれだけやれるか。自分たちは挑戦者としてぶつかっていくだけ。僕らも上に食い込むチャンスはいくらでもあると思う。昨年以上の成績を残したい」

 ブレイザーズ期待の新戦力、アルゼンチン代表OHルチアーノ・パロンスキーとは、SNSを通じて連絡を取り合ってるという(※取材時)。

ブレイザーズ期待の新戦力、ルチアーノ・パロンスキー [写真]=Getty Images

「まだ直接会ってないけどSNSでは繋がっていて、DMではちょいちょいやり取りしました。五輪前とかは『頑張ってね』とか送ったり、向こうからは『誕生日おめでとう』というメッセージをもらった」

 そして、パリ五輪での日本代表の戦いぶりには大いに刺激を受けたという。

「ブレイザーズで一緒にやっていった関田(誠大)さんとか山本智大さんとか深津(旭弘)さんがいたし、大学時代とかアンダーカテゴリーで一緒にやっていた高橋健太郎とか石川祐希とか小野寺太志とか、年近かったりアンダーカテゴリーで一緒にやっていた。知っているメンバーが戦っているのを見て、単純に応援しましたし負けて悔しかった。よく世界相手に戦ってくれたなと思いますし、自分も頑張ろうと思いました。めちゃめちゃ刺激受けました」

 強豪ひしめくSVリーグでブレイザーズがどの様に戦うのか。まだメンバーが揃ってなかったとはいえ、戦い方の片鱗が見えた2試合であった。

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大塚淳史

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