広島サンダーズは20日、同じ広島を拠点とするプロバスケットボールチームの広島ドラゴンフライズが主催する「おりづるリレー」の企画報告会に参加し、井上慎一朗と金子聖輝が出席した。
「おりづるリレー」は、広島ドラゴンフライズが毎年夏に実施している平和への思いを発信する活動で、Bリーグのクラブや他スポーツのクラブ、地域団体、アーティストなどがそれぞれ折り鶴を折って、メッセージ動画をリレー形式で SNSに投稿して平和への願いをつないでいく企画。2021 年に実施された「全国高校生 SDGs 選手権 2020」で武田高校(広島県)が提案した「折り鶴プロジェクト」をきっかけに始まった。

広島THは最終日の15日に登場し、金子が「私が思う平和は、小さな幸せを見つけ、日々過ごすことです」とのメッセージとともにリレーをつなげた。
井上と金子は報告会前に、広島ドラゴンフライズの浦伸嘉代表取締役社長や三谷桂司朗などの参加者と一緒に広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花し、千羽鶴が捧げられている原爆の子の像に今回の企画で集まった折り鶴を寄贈した。

井上は、「広島サンダーズに入って9年目で、毎年このように平和について考える機会が多く、僕たちができることはチームにいる外国人籍の選手やスタッフのように身近な方にも僕たちの活動や平和への思いを知っていただくことだと思います。スポーツは戦いの場ですが、世界中の人が僕たちのプレーを見て、平和や相手をリスペクトする大切さに気づいていただけるように、スポーツ選手としてできる活動をしていきたいです」と力を込めた。
金子は、「広島から世界へ平和の願いをつなげるこのような企画に参加できて、とてもうれしく思います。この当たり前のような生活やバレーボールができる環境に普段からしっかり感謝の気持ちを持って、これからも精進していきたいと思います」と気を引き締めた。
報告会では、広島ドラゴンフライズの浦社長が今回の企画やクラブの平和発信の取り組みを説明。試合会場での「おりづる交換」や「おりづる賞」、相手選手へのスタンディングオベーションなどで「リスペクト」や「平和の大切さ」を伝える「ピースプロジェクト」の取り組みや、被爆から復興を遂げた広島の「屈しない魂」や「歴史に学び未来を切り開く情熱」が込められたチームスローガン「HIROSHIMA PRIDE」などが紹介された。
報告会の最後に井上は、「僕たち広島サンダーズは前身の日本専売公社から数えると90年以上の歴史があるチームです。戦前から続くチームとして、僕らの先輩方がさまざまな逆境を乗り越えて、平和について考えてきたからこそ、今の僕たちがあると思っています。僕たち現役選手も平和について考えて、先輩たちの思いをつなげてバレーボールをしていきたいと思います」と力強く語った。

金子は「折り鶴のように、バレーボールを通じてたくさんの方々に勇気、希望、感動を届けられる存在でありたいと思います。そして、ドラゴンフライズさんと同じ『HIROSHIMA PRIDE』を背負って今シーズンはしっかり戦いたいと思います」と意気込んだ。