[写真]=須田康暉

⑧ザ・安定感小野寺太志

[写真]=須田康暉

 小野寺はオリンピックに2大会連続で出場を果たしている、日本のMBで最も安定感のある選手だ。

 今年のVNLでは特にアタックでの活躍が目立っていた。アタック決定率は日本でトップの70.83%を記録。さらにアタックミスも0本で、ノーミスでVNLを終えた。

 ブロックについては、佐藤駿一郎に次いで2番目の1試合あたりのブロックポイントとワンタッチを記録。出場したらアタックもブロックも確実に結果を出してくれるベテランMBだ。

 さらに小野寺はパスの上手さが世界トップレベルのMBだ。

MBの多くはレシーブが苦手で、ショートサーブで狙われて、ブレイクの起点にされることが多い。しかし小野寺は日本代表でOHへのコンバートを試されたことがあるほどレシーブが上手い選手で、サーブで狙われても綺麗にセッターへ返球し、そのまま流れるように自分でクイックを決められる。

 またサーブを打った直後の1ローテだけある後衛でも、敵のスパイクを当然のようにレシーブしてブレイクに貢献している。

 世界バレーでも小野寺の安定感のあるアタックとブロック、そしてOHのようなレシーブ力に注目だ。

⑨世界トップに届くブロッカー佐藤駿一郎

[写真]=須田康暉

 佐藤は日本のMBで最もブロックで貢献している選手だ。

 出場した8試合でブロックポイントは12本、ワンタッチは42本を記録している。

 VNLベストブロッカーを受賞したウクライナ代表のユーリ・セメニュクと佐藤のブロックのスタッツを比べてみる。

 セメニウクの1試合あたりのブロックポイントは3.08本、ワンタッチは3.92本、合計で7.0本となっている。

 佐藤の1試合あたりのブロックポイントは1.5本、ワンタッチが5.25本、合計が6.75本だ。

 注目すべきは合計ブロックタッチの差がわずか0.25本なこと。佐藤はVNLベストブロッカーとほぼ同数のタッチを取っているということだ。

 これは佐藤のワンタッチが数本ブロックポイントに変われば、VNLベストブロッカーも狙えることの証明となっている。

 日本は長らくブロックポイントの少なさが課題と言われていて、勝負所のブロックポイントの差が勝敗を分けた試合が多かった。

 佐藤はその課題を解消してくれる可能性を秘めたMBだ。世界バレーでも世界トップクラスに届くポテンシャルをもった佐藤のブロックに注目だ。

⑩小さな巨人西本圭吾

[写真]=須田康暉

 西本は日本のMBで最もアタック力が高い選手だ。

 1試合当たりのアタック得点が5.0本と日本のMBでは最も多い。西本はブラジル代表戦以外は全て途中出場だったので、他のMBと比べてプレー時間が短い中での記録なので驚異的だ。

 西本がアタックでここまで成果を出せた秘訣は、豪快なフォームにある。MBが打つクイックはバレーボールで最速の攻撃なので、速さを極めるべくコンパクトなフォームにするのがセオリーだ。

 しかし、西本のクイックはダイナミックなフォームで腕を豪快に回してパワフルに打ち込む。日本代表で例えるなら西田有志のようなスパイクフォームだ。

 フォームが豪快な分、敵ブロッカーも着いてくるが、西本のクイックはスイングが速くてパワーがあるので、未完成の敵ブロックを吹っ飛ばしてブロックアウトを奪っている。

 VNLに出場した全MBの中で最も身長が低い西本のアタックの秘訣はこのパワーと言える。

 また西本はSVリーグでトップブロッカーを受賞している。全44試合あったレギュラーラウンドで1セットあたりのブロックポイントが最も高かった日本最強のブロッカーだ。

 試合を重ねるごとにブロックの鋭さも増してきているので、世界バレーではアタックだけではなくブロックにも要注目だ。

⑪攻守万能エバデダン・ラリー

[写真]=須田康暉

 ラリーは攻防揃ったバランスの良いMBだ。

 クラブシーズンではSVリーグとアジアチャンピオンズリーグでベストMBを受賞している。

 SVリーグでは全チームの主力MBの中で、アタック決定率と1セットあたりのブロック決定本数の両方で2位を記録している。

 このことからラリーは日本のMBで最もアタックとブロックを両立した選手と言える。

 ラリーは自分のリズムがあるクイックが特徴的だ。空中でトスを待ち、敵ブロックの位置を把握して鋭角に叩き込む。

 ブロックについてはパリ五輪以前は苦手だと語っていたが、クラブシーズンでレシーバーとの連携を意識することがハマり、武器の1つとなって代表でも結果を出している。

 VNLでも第2週まで最もスタメンが多かったMBで、アタック決定率は常に6割を超えていて、1試合あたりのブロック本数は最も高い1.14本を記録していた。

 しかし第3週から少し調子を落としている。第3週の初戦のドイツ戦ではブロックの手ごたえがなかったと語り、その後のブラジル戦では4本打ったアタックが全てミスとなってしまった。

 世界バレーでは佐藤のようなブロック力、西本のようなアタック力、小野寺のような安定感を備えた本来のラリーの姿が観られることに期待だ。

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この記事を書いたのは

まつはす

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