いよいよ12日に開幕した2025バレーボール男子世界選手権(世界バレー)。男子日本代表は予選ラウンドでプールGに入っており、トルコ代表、カナダ代表、リビア代表と対戦する。
予選ラウンドでは、同プールの相手と1回総当たりで対戦し、各組の上位2カ国が決勝トーナメントに進出する。
初戦のトルコ戦でストレート負けを喫した日本は、決勝トーナメント進出に向けて是が非でも勝利を収めたい第2戦で対戦するのが、FIVB世界ランキング9位(※9月13日時点)のカナダだ。
1.カナダの特徴
カナダは高さとフィジカルに優れたチームだ。スタメンの平均身長はカナダ(199.6cm)と日本(190.0cm)で約10㎝の差がある。この高さを活かしたスパイクとブロックがカナダの持ち味だ。
VNL2025でカナダは若手主体で臨み18チーム中14位だったが、世界バレーには強力な2選手が合流した。1人はオリンピック3大会出場のキャプテン、ニコラス・ホーグ。2人目は東京五輪に出場したのちに日本の日本製鉄堺ブレイザーズでプレーしていたシャロン・バーノン=エバンズだ。
世界バレー初戦のリビア代表戦でもこの2人が大量得点(ホーグ20得点、バーノン22得点)を挙げて勝利した。
世界トップクラスの高さとフィジカルに、若手の勢いとベテランの落ち着きが融合したカナダは油断の出来ない強敵だ。
2.カナダに勝つためには
日本は昨年のネーションズリーグ予選ラウンドでカナダに敗れている。
その時の敗因がカナダ戦の対策になるのではないだろうか。
当時、試合に出場していた日本の石川祐希と西田有志はカナダに負けた敗因を3つ挙げていた。
1つ目は2段トスを簡単に決められたことだ。日本はカナダをサーブで崩していたが、2段トスを決め続けられてしまった。その要因はブロックで、ブロックが綺麗に揃わず利用され続けていた。実際にこの試合では昨年最多の15本のブロックエラーがあった。次のカナダ戦でもブロックを利用されないようブロックを綺麗に揃えることが必要になる。
2つ目はレセプションを崩されたことだ。
この試合のカナダはサーブの調子が良く、日本のレシーブを崩し続けていた。世界バレー初戦で日本が敗れたトルコ戦とも共通していることだ。強烈なサーブはコートにキープして、リバウンドで態勢を整えることも重要になってくる。
3つ目は力勝負しすぎたことだ。いつもであれば軟打で崩すことができるカナダに対して、敵の得意としている強打で勝負をしていた。カナダはショートサーブやフェイントのレシーブが苦手なチームにも関わらず、敵の土俵である強打で攻め続けてブロックに仕留められる場面が多かった。世界バレーでも被ブロックを減らすスマートなプレーが必須となるだろう。
3.カナダの注目選手

注目選手はシャロン・バーノン=エバンズ(OP/206cm/27歳)だ。
バーノン=エバンズは2021年から昨季まで日本の日鉄堺BZで活躍していた選手だ。
最高到達点382cmの世界トップクラスの高さを活かしたスパイクが最大の特徴。SVリーグでも全選手中5位の820点の総得点を記録した。
東京五輪を最後にカナダ代表としてプレーおらず、リビア戦が代表復帰戦だった。その復帰戦ではチーム最多の22得点の大活躍で、カナダを勝利に導いていた。アタックで16得点で決定率は55%、さらにサーブとブロックでそれぞれ3得点を挙げた。
SVリーグで何度も対戦している日本の選手が、バーノン=エバンズの得点をいかに減らせるかが試合のキーの1つになる。