いよいよ12日に開幕した2025バレーボール男子世界選手権(世界バレー)。男子日本代表は予選ラウンドでプールGに入っており、トルコ代表、カナダ代表、リビア代表と対戦する。
予選ラウンドでは、同プールの相手と1回総当たりで対戦し、各組の上位2カ国が決勝トーナメントに進出する。
すでに日本の予選ラウンド敗退は決まっているが、予選ラウンド最後の試合の対戦相手となるのがリビアだ。
1.リビアの特徴
リビアはFIVB世界ランキング75位(※9月14日時点)の国だ。
2023年のアフリカ大陸選手権で3位になり、1位のエジプト代表と2位アルジェリア代表と2025世界バレーの切符を手にした。
そして迎えたリビア代表にとって43年ぶりの世界バレー。/13日に行われた初戦のカナダ代表戦の結果は1-3で敗北だったが、1セット目を先取したうえに4セット目は27-29までカナダを追い詰めた。
敗れはしたものの、世界ランク75位のリビアが9位(※対戦時点)のカナダに善戦したのは事実で、リビアが世界に力を証明した一戦だった。
2.リビアの特徴
リビアは兄弟Wエースが主軸のチームだ。カナダ戦では兄弟Wエースが揃ってチーム最多17得点を記録した。
兄のアブラババ・モハメド・イクバイリは打点の高さが特徴的なOHだ。カナダ戦では高いトスが上がったらほとんどブロックの上からスパイクを打ちこんでいた。
弟のアハメド・イクバイリは、2023年のアフリカ大陸選手権ではベストOPを受賞し、セリエAの強豪モデナでプレーしている。カナダの高いブロックに対して真っ向勝負だけではなく、ブロックアウトもよく奪っていた。
リビアは攻めたサーブでレシーブを崩し、高さのあるブロックで攻撃を防ぎ、最後はWエースに託すバレースタイルだ。
兄弟Wエースにワールドクラスの攻撃力がある一方で、 リビアは守備に課題があるチームだ。特にレセプションは不安定で、カナダ戦では15本のサービスエースを許している。
日本がリビアと戦う際には、兄弟Wエースをディフェンスで封じることと、攻めたサーブを入れていくことがキーになるだろう。
3.リビアの注目選手
注目選手は兄弟Wエースの兄アブラババ・モハメド・イクバイリ(OH/198cm/33歳)だ。身長は際立って高くないが、腕の長さと跳躍力を活かした驚異的な打点の高さが特徴の選手だ。
カナダ戦ではバックアタックでもブロックの上からスパイクを打ちこんでいた。カナダよりブロックが低い日本は当然ブロックの上から打たれることが多くなると予想され、要警戒選手だ。
日本は2023年のパリ五輪予選のエジプト戦で、アブラババのように高さとパワーのあるOHにブロックを利用され続けて敗れていた。
日本の天敵とも言えるプレースタイルのアブラババに、日本がどう対応していくのかにも注目だ。