公益財団法人日本バレーボール協会(JVA)は19日、男子日本代表のシーズン総括記者会見を行った。
2024年のパリオリンピックでベスト8という結果に終わった日本。2025年からはフランス代表をオリンピック金メダルに導いた経験を持つロラン・ティリ監督を招へいした。
そのティリ監督のもとで臨んだ最初のシーズンとなった今年。ネーションズリーグ(VNL)ではベスト16、世界選手権では予選ラウンド敗退という結果に終わった。
メダル獲得を目指していた中、思うような結果を残せなかったティリ監督だが、「シーズンが始まる時にも言ったように今年はオリンピックの翌年という難しい年で、新しい監督のもとで新しいシステムや状況に慣れてもらう年、そういう変革の時だったと思います」と前置きした。
その上で、予選ラウンド序盤は石川祐希ら主力を複数休ませながらも代わりの選手たちが躍動したVNLについては、「今年のVNLは満足できるものだったと考えています。選手の入れ替わりが多い中でも勝ち星を積み重ねていき、最終的にファイナルまで進めました。そして千葉での素晴らしい大会が行われたことが良かったと思います。オリンピックで多くの時間をプレーした選手に対して休みを与え、その選手たちが帰ってきて合流した後のチームを千葉で披露できました。そして彼らが良いプレーができたことが非常に素晴らしいことだったと思います」と振り返った。
また、決勝ラウンドではラウンド16敗退という結果に終わったが、「最終的にチャンピオンになったポーランドと対戦して、最初の2セットは接戦を繰り広げられたんですけれども、最終的に0-3という結果で終わってしまいました。ただその敗戦はより次に生かせるものだったと思います」と、敗れたポーランド戦について触れた。
その後、合宿とブルガリア代表とイタリア代表との壮行試合を経て世界選手権に臨んだ日本。予選ラウンドの最初の2試合のトルコ代表戦とカナダ代表戦ではまさかの2試合連続ストレート負けとなったが、ティリ監督としても受け入れがたい敗戦だったようだ。
「そのことに関してはまだ理解するのに時間がかかっています。その2つの敗戦でチームは悲しみに満ちていたんですけれども、そこから再び立ち上がって最後のリビア戦で勝利することができました。大変残念な結果ではありましたけど、将来に向けての新しいスタートという風に捉えています。この機会をより改善するためのプロセスとして捉えてほしいです」
2026年には、ロサンゼルスオリンピックの出場権もかかるアジア選手権が開催される。ティリ監督は「これからA代表とB代表の強化、そして世界ランキングを上げる上で非常に大切なVNL、そしてその後のアジア選手権に対しての予定をこれから立てていきたいと思います」とした。
最後にティリ監督は「新しい指揮官のもとしっかりと耳を傾けて努力をしてくれた選手たちを誇りに思っています。それと同時に興行であったり公開練習であったりそういったところでバレーボールの普及に貢献してくれたことに対しても誇りに思っています」と選手たちへの感謝を述べて締めくくった。