韓国の天安現代キャピタルスカイウォーカーズ(現代キャピタル)のフィリップ・ブラン監督が日本代表監督時代に言及している。韓国『THE SPIKE』が伝えている。
2017年から2024年までの7年にわたって男子日本代表を指揮したブラン監督。ベスト8という成績に終わったパリ2024オリンピック(パリ五輪)を最後に監督を退任し、韓国のVリーグの現代キャピタルの指揮官に就任した。
すでに韓国入りしているブラン監督だが、『THE SPIKE』のインタビューに応じ、日本代表監督時代を振り返った。
「日本代表チームとは約8年間の時間を共にした。初めて会った時の選手たちと、2024年のパリ五輪での最後の姿は違っていた。結局のところ、長い時間が必要だった。選手のスキルアップのために、中長期的な計画を立て、たくさんの時間を費やして努力しなければならない。また、外国人指導者として重要なのはその国の文化を早く理解すること。これは意思決定を行う上で、より大切なことだと思った」
続けて、日本が一時は世界ランキング2位にまで昇りつめたことについて、「まずは現状をしっかりと把握し、どのようにしてトップまで昇りつめるのかを段階的に考え、アプローチしていった。毎年1つ、2つあるいは多くても3つの目標を設定し、小さいことから段階的にひとつずつ発展させるために努力した。一気にすべてのことを変えることはできない」と、段階的にアプローチしていく大切さを語った。
日本代表を長く指揮していたものの、ブラン監督がアジアのクラブチームでの指導は初となる。
「現代キャピタルのスタッフと会った時に、トップを奪還するための長期的なプロジェクトを説明してくれて、その部分に惹かれた。日本代表チームでやってきたように、段階的に頂点に立つというプロジェクトが魅力的だった。もちろん、代表チームとクラブチームの違いはあるだろうが、私がやってきた段階的なアプローチで、現代キャピタルをリーグの頂点に導けるのであれば面白いと思った」と、韓国行きを決めた背景を明らかにした。
また、韓国行きを決断するのには家族の応援もあったようだ。「韓国行きを決断するのに、実は家族の応援とサポートが絶対的に多くの割合を占めた。それがなければ難しかった。日本代表チームともたくさん話し合いをした。『日本に戻ってきてくれたら』という声もたまに聞くが、すでに決断を下したので、今いる場所で完全に集中する必要があり、今の私のプロジェクトに集中している。悔しさと未練、後悔を胸にしまって、去るのは良いことだと思う」と力強く明かしている。
日本代表時代と同じく、中長期的なプロジェクトで韓国リーグの頂上を狙うブラン監督。ブラン監督と日本代表の7年間は、日本代表チームにとってはもちろんのこと、ブラン監督にとっても彼のキャリアの中で大きな財産になったことは間違いない。