19日(水)、公益財団法人SVリーグの大河正明チェアマンがメディア向けの取材に応じ、シーズン序盤の現状と今後の展望について語った。その中で、「平日ナイトゲーム」の開催について、都市部を中心に確かな手応えを感じていることを明かした。
大河チェアマンは、13日(木)と14日(金)にTOYOTA ARENA TOKYOで行われた東京グレートベアーズvsウルフドッグス名古屋の試合を例に挙げた。このカードは平日開催であったにもかかわらず、木曜日に約8,100人、金曜日には約9,100人(完売)という観客動員を記録した。
これを受け大河チェアマンは、「特に都心部、あるいは大阪、名古屋といった大都市圏においては、平日開催は十分に検討に値する」と分析。立地条件やアクセスの良さが前提となるものの、平日夜の興行が成立することを数字が証明した形だ。
平日開催の一つの効果として挙げられたのが、客層の変化だ。従来の男子バレーボール会場の観客は女性ファンが圧倒的に多く、その比率は「8対2」ほどと言われている。しかし、金曜日のナイトゲームなどではその様相が変わるという。
「金曜日の夜などは、明らかに男性のファン、特に仕事帰りの方々が増えているとクラブからも聞いています」と大河チェアマン。ビジネスパーソンが同僚と誘い合わせて「仕事帰りに観戦する」といった、新しい観戦文化が芽生えつつあることに期待を寄せた。
今後の戦略について大河チェアマンは、すべての地域で一律に平日開催を行うのではなく、地域特性に合わせたスケジューリングが重要であるとの認識を示した。もちろん、ホームゲームの日程設定やアリーナの確保は、興行を主催する各クラブの判断が軸となる。「地方都市ですぐに平日開催ができるかというと難しい面もある」としつつも、集客が見込める都市部のアリーナを拠点とするクラブなどにおいては、来シーズン以降も積極的に平日開催にチャレンジできるよう、リーグとしても柔軟な日程編成で後押ししていく意向だ。




