27日、2024アジア女子バレーボールクラブ選手権の準決勝が行われ、日本のNECレッドロケッツ川崎がタイのナコーンラーチャシーマーと対戦した。

 予選では3戦全勝のプールB1位で決勝ラウンド進出を果たし、準々決勝は香港のクワイツェンに力の差を見せつけ圧巻のストレート勝ちを収めたNEC川崎。対するナコーンラーチャシーマーは、予選ではプールAを2勝1敗の成績で2位通過、26日に行われた準々決勝ではフルセットの戦いの末に準決勝へ駒を進めてきた。また、元NEC川崎の井上琴絵がリベロとして所属しており、今大会にも出場している。

 NEC川崎はアウトサイドヒッター(OH)に佐藤淑乃と佐々木遥子、ミドルブロッカー(MB)に島村春世と甲萌香、セッター(S)に塚田しおり、オポジット(OP)に和田由紀子、リベロ(L)に大工園彩夏をスタメンに起用した。

 第1セット目序盤、一進一退の攻防が続く中、佐藤のサービスエースでNEC川崎が一歩前に出るが、ラリーを二度制され同点に追いつかれる。直後に二度のブロックポイントで再びリードを奪うものの、ナコーンラーチャシーマーのサーブに崩される場面、スパイクがアウトになるミスが出て、逆転を許す。20点目以降、NEC川崎が逆に強いサーブで相手を崩し、ダイレクトで攻撃を決め、23-23と追い上げる。しかし先にセットポイントを取られ、最後は佐々木がスパイクの際に体制を崩し、反則を取られて23-25と1セット目を落とす。

 続く第2セット目、序盤はミドルの攻撃とブロックを中心にNEC川崎が連続ポイントを奪い、リードする展開に。しかし、返ってきたボールをお見合いしてしまう場面、また被ブロックが増え、相手に4連続ポイントを許し、9-10と逆転される。ベンチは和田からロレイナ・メアリーズ・ダ・ シルバにメンバーチェンジ。また、セッターの塚田を一度下げて中川つかさに変更する。中盤はお互いにサイドアウトを取り合い、点差がつかないまま試合が進む。しかし20点以降、ブロックポイントやサービスエースで勢いに乗った相手を止められず、途中佐々木から廣田にメンバー交代をして流れを切ろうとするも、6連続ポイントを許し最後は22-25で2セット目も連取される。

 後がない第3セット、NEC川崎は2セット目途中から入ったメンバーを継続して起用。序盤はブロック、スパイクレシーブが冴え連続ポイントを生み出し、4点のリードを得る。このままリードを保ちたいNEC川崎は、サーブで崩すなどして相手に流れを渡さず着実に得点を重ねて突き放し、このセットは一度も逆転を許さないまま危なげなく25-17と大差をつけて勝ち切る。

 第4セット序盤、サイドアウトの応酬の中、佐藤のサービスエースでNEC川崎が一歩リード。またラリーの中、苦しい体勢から廣田がスパイクを決め勢いに乗ったNEC川崎は、ロレイナの巧みなブロックタッチ、廣田のブロックの連続ポイントで13-8と突き放す。中盤から終盤にかけても相手に連続ポイントを許さず、最後は粘りのラリーを制し、25-19とNEC川崎がこのセットを取り、勝負は最終第5セットにもつれ込む。

 勝負の第5セット、サーブで崩され連続ポイントを許し一歩リードされる展開に。しかしそこから、素晴らしいディグから切り返した攻撃が決まり、5連続ポイントで9-6と逆転に成功。焦りの見えるナコーンラーチャシーマーはスパイクミスが増える中、ピンチサーバーで佐藤に代わって入った佐々木のサーブで崩し、NEC川崎がマッチポイントを握る。最後は廣田のスパイクでフルセットを制し、15-10でNEC川崎が勝ち切り、この試合逆転勝利で決勝進出を決めた。

 セット序盤はチーム内での連携ミスなどで惜しい失点が目立ったが、メンバー交代をしながら上手く修正していき、総力戦で戦い抜いたNEC川崎。勝ち切ったセットでは、リードするとそのままの勢いで相手に隙を見せず、着実に得点を重ね勝利に繋げたことで、世界クラブ選手権の出場権を獲得した。

 決勝は29日(日)18時から、クアニシ(カザフスタン)vs LPバンク・ニンビン(ベトナム)の勝者とアジアクラブ女王の座をかけて対戦する。

■試合結果

NEC川崎 3ー2 ナコーンラーチャシーマー

第1セット 23ー25
第2セット 22ー25
第3セット 25ー17
第4セット 25ー19
第5セット 15ー10

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この記事を書いたのは

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