29日、2024アジア女子バレーボールクラブ選手権の決勝が行われ、日本のNECレッドロケッツ川崎(NEC川崎)がベトナムのLPバンク・ニンビンと対戦した。
27日に行ったタイのナコーンラーチャシーマーとの準決勝では相手に2セットを先取され、後がない状況から逆転勝利し、決勝進出とFIVB世界クラブ選手権への出場を決めたNEC川崎。アジア女王を目指し挑む決勝戦の相手は22日の予選ラウンド初戦でも対戦したLPバンク・ニンビンとなった。予選ラウンドではNEC川崎がストレート勝利を収めたが、その後プールBの2位で予選を通過し、決勝まで上り詰めた決して侮れない相手である。
NEC川崎はアウトサイドヒッター(OH)に佐々木遥子と佐藤淑乃、ミドルブロッカー(MB)に甲萌香と島村春世、セッター(S)に塚田しおり、オポジット(OP)にロレイナ・メアリーズ・ダ・シルバ、リベロ(L)に大工園彩夏をスタメン起用し、準決勝から和田由紀子をロレイナに変更した布陣となった。
第1セットは開始早々NEC川崎が佐藤のサーブを起点にブロックなどで8連続得点を奪う好調な滑り出しとなった。オフェンス、ディフェンス共に力を見せつけるNEC川崎はラリー中にもMBを使う塚田の相手に的を絞らせないトスワークにより得点を重ね、大幅に点差を開いたまま終盤を迎える。20点以降は今大会、打数が上がらなかったロレイナへのトスが増え始め、最後もロレイナのスパイクポイントで危なげなく第1セットをNEC川崎が取る。
第2セットは相手のスパイクが決まり始め、拮抗した入りとなったがNEC川崎は第1セットと変わらずスパイクやブロックで得点を重ね、NEC川崎リードで中盤に入った。その後もNEC川崎はトータルディフェンスで相手に対応し、ブロックポイントやディグからの切り返しでリードを広げる一方、相手はこのセットもNEC川崎の攻撃に対応できず終盤には佐藤のサービスエースも飛び出し、NEC川崎が大差で第2セットも奪う。
第3セット、1点目から佐藤のサービスエースで始まったNEC川崎はラリーを制し、このセットも6連続得点でリードを奪う。序盤から中盤にかけてもNEC川崎の戦術や各々のパフォーマンスは変わらずリードを広げていたが、中盤から終盤にかけて後がないLPバンク・ニンビンが今まで本数の多くなかったブロード攻撃を見せるなど少しずつ点差を詰める。しかしすかさずNEC川崎の金子隆行監督がタイムアウトを取り、流れを持ち直すと最後は今大会通して好調だった佐藤がスパイクを決め、第3セットもNEC川崎が取り、優勝を決めた。
この試合だけでなく今大会通して、手厚いブロックフォローやワンタッチを活かすトータルディフェンスの徹底や目的を持った攻めたサーブ、塚田のMBを積極的に使った相手に的を絞らせないトスワークなど全ての面で連携を取り、遂行する力を出し続けたことが昨シーズンのV.LEAGUE DIVISION1 WOMEN王者、NEC川崎の強さであり、今大会優勝を果たした要因だった。
目標であったFIVB世界クラブ選手権への出場権とアジア女王の座どちらも獲得したNEC川崎は10月12日(土)から始まる大同生命SV.LEAGUEでどのようなプレーを見せてくれるのか、残り数週間後に迫った試合に期待が膨らむ。
■試合結果
NEC川崎 3-0 LPバンク・ニンビン
第1セット 25-16
第2セット 25-15
第3セット 25-17