鎮西高校の一ノ瀬漣 [写真]=金田慎平

 5日、第78回全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)が開幕する。

 全国から全52校が出場する今大会。男子の優勝候補を解説していく。

鎮西高校(熊本)

個の攻撃力No.1

 鎮西はインターハイと国民スポーツ大会で優勝し、春高バレーで全国3冠を狙っている。そんな鎮西の特徴は、伝統の「エースバレー」だ。

 複雑なコンビ攻撃は組まず、スパイカーの個の力を活かすシンプルなスタイル。鎮西の「エースバレー」はエースを1人決めて無理にでも託すというものではなく、アタックが決まる確率が高い選手にトスが集まり、それに応え続けた選手が大エースと呼ばれるようになる。

 今年は岩下将大(3年/OP)と一ノ瀬漣(2年/OH)がダブルエースと呼ばれているが、大石秀(3年/OH)や西原涼瑛(3年/MB)も得点力が高い。 キャプテンセッターの福田空(3年/S)も、選手の調子やコートの状況に合わせて、試合ごとにエースを見極めている印象だ。

 今年の鎮西には伝統の背番号3番のエースは不在だが、その分スパイカー陣が切磋琢磨することで培った個々の攻撃力が高いチームだ。

東山高校(京都)

組織の攻撃力No.1

 東山は国スポ決勝で、鎮西をあと一歩のところまで追い詰めたチームだ。春高バレーでのリベンジが叶うとすれば、両校勝ち上がった場合の準々決勝となる。

 今年の東山は鎮西のように岩田怜緯(2年/OH)と齋藤航(3年/OP)のダブルエースが中心だ。岩田は技術で、齋藤はパワーで2段トスを打ち切る。

 しかし同じダブルエース体制でも東山と鎮西には大きな違いがある。東山の最大の武器はあくまで伝統の守備からの高速立体バレーで、セッターの山上晴太郎(3年/S)が主導となりスパイカーを操る。

 クイックに時間差、パイプにライトバックといった難しいコンビが滞りなく決まるので観ていて気持ちの良いバレーを展開する。 東山はWエースを軸に全員が打ち込む、総火力がNo.1の高校だ。

市立尼崎(兵庫)

総合力No.1

 市立尼崎は昨年の春高では現3年主体のメンバーでベスト4入り、インターハイで準優勝を果たしている。

 そんな市立尼崎は攻×守×高さの3拍子揃った総合力が高いチームだ。

 攻撃はハントラクル星名(3年/OH)と𠮷田将大(3年/MB)が主軸だ。2段トスはハントラクルが打ち抜き、パスを返せば𠮷田のクイックで確実に仕留める。

 守備についてはリベロの巴謙心(3年/L)、元リベロの日比野凛太郎(3年/OP)、高校選抜でリベロ経験のあるハントラクルの3人で鉄壁の守備陣形が組める。

 高さについてはMBの𠮷田と下村咲斗(3年/MB)は身長190cm超え、サイドのハントラクルと崔那由他(2年/OP)も180cm後半でプロチーム並みの高さを誇る。

 攻×守×高さに加えて、春高センターコートの経験も持ち合わせている総合力の高い優勝候補だ。

駿台学園(東京)

守備No.1

 今年度の駿台は春高バレーを3連覇を果たした主力メンバーと監督が去り、心機一転のスタートとなった。

 そんな中でもインターハイでベスト4の成績を残す。データに基づいた緻密なトータルディフェンスからの速いコンビ攻撃は健在だった。

 昨年との大きな違いは主力メンバーが総入れ替えになり、下級生が主体のチームとなったため大きな伸びしろを秘めていることだ。

 特に2年生キャプテンの落合康陽(2年/OH)は春高バレー東京予選は未出場で、駿台の隠し玉的な存在になっている。

 2年前の春高バレーでも、好調だった川野琢磨(現・早稲田大1年)をあえて決勝まで温存して切り札のような起用をしていた。

 レシーブを強みとしていた落合が、191cmの高身長を活かして攻撃の主軸にもなっていたら、駿台は国スポの時とはまったく別チームへと進化しているだろう。

 伝統のデータディフェンスと下級生チームならではの爆発力で春高4連覇を目指す。

この記事を書いたのは

まつはす

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