[写真]=兼子愼一郎


 第78回JVA全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)が5日に開幕した。鹿児島県代表の川内商工高校は慶応義塾(神奈川)との初戦に臨み、見事勝利を収めた。その中心で躍動したのは、1年生ながらエースの重責を担う田中洸だ。

 田中は試合後、憧れの舞台でのデビュー戦を振り返り、「初めてだったので、最初は緊張した部分もありました。ですが、自分の得意なスパイクを決めて、自分もチームも盛り上げていこうという意識で頑張りました。会場に入った瞬間に、いつも聴いている音楽とオレンジコートが見えて、ここまで来たんだなと実感が湧きました」と、初々しくも力強い言葉を口にした。

 試合が進むにつれ、1年生エースは本領を発揮していく。特に2セット目、チームの立ち上がりが芳しくない中でトスが集まると、期待に応えるプレーを連発して流れを引き寄せた。「自分が1本目を決めた時に、うまくいくムードが作れました。そこからは自分がエースだという意識でプレーし、何をやっても決まるような良い展開を作ることができました。中学時代はずっと画面越しに見ていた舞台ですが、いざ来てみると天井の高さや観客の多さに戸惑う場面もありました。それでも徐々に慣れてプレーできたのは良かったです」と手応えを語る。

 田中の武器は、高い打点から打ち分けるスパイクと、相手を弾き飛ばす力強いサーブ。その攻撃力を支える跳躍力は、高校入学後に驚異的な進化を遂げたという。「入学してから最高到達点が10センチほど伸びました。チームでの練習に加え、専任のトレーナーと相談しながら下半身のトレーニングを継続してきた結果です。打点が上がったことで相手コートがよく見えるようになり、そこに落とせば決まるという感覚を掴めています。終盤は相手のブロックも全く気になりませんでした」と、自身の成長に自信をのぞかせた。

 また、頼もしい1年生エースの背中を支えるのは、経験豊富な先輩たちの存在だ。「先輩方は経験も知識も豊富で、自分たちが試合をしやすい雰囲気を作ってくれる、本当に頼りがいのある存在です」と、周囲への感謝も忘れない。

 中学時代には全日本中学選抜への選出やJOCでの優秀選手賞受賞といった華々しい実績を持つ田中だが、その視線はさらに高い場所を見据えている。「自分にトスが上がったら『洸は止められない』と言われるくらいのエースになりたいです。チームの目標は日本一なので、次戦の近江高校戦でも自分の強みを出し、しのぎを削って勝ちにいきたいです。この大会を良い糧にして、これからもさらに上を目指して歩んでいきたいです」と、決意を新たにした。

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VOLLEYBALL KING 編集部

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