第78回JVA全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)が女子1回戦で東九州龍谷(大分)が勝利を収めて好スタートを切った。チームの主軸である忠願寺莉桜は、大会直前の怪我による離脱や重圧と戦いながら、姉への誓いを胸に再びオレンジコートへと戻ってきた。
試合後のインタビューで、忠願寺は「春高ならではの雰囲気に飲まれてしまい、ベストパフォーマンスが出せませんでしたが、明日に向けてギアを上げる良い試合になったと思います」と率直な胸の内を明かした。もともとプレッシャーを強く感じるタイプだという彼女は、周囲の視線を過剰に意識してしまう自分をコントロールするため、独自のメンタル管理を行っている。「見られていると思うと『良いプレーをしなければ』という気持ちになってしまうので、『誰も見ていない、誰も期待していない』と思ってやるようにしています」と語り、これまでならマイナスに働きがちだった緊張感についても、「これを乗り越えるのが成長につながると思うので、逃げずに戦っていきたいです」と、精神的な逞しさを見せた。
この大会に至るまでの道のりは平坦ではなかった。忠願寺は腰の負傷により、大会直前の約1ヵ月間、満足な練習ができなかった。しかし、リハビリ期間中に徹底して体幹や腹筋のトレーニングを見直したことが、怪我の功名となった。「怪我をしたのは筋力や使い方の問題があったからだと思います。1ヵ月間トレーニングをしてきて、怪我をする前よりも今の方がしっかり体がついてきているので、そこは自信を持ってやっていきたいです」と手応えを口にする。初戦ではまだその全てを出し切れたわけではないが、地道な基礎強化によって得た新たな「強さ」を、明日以降の戦いで証明する覚悟だ。
彼女を突き動かす大きな原動力となっているのは、1年前に味わった敗北の記憶と、家族への想いだ。姉の風來とともに戦った昨年の春高バレー準々決勝富士見戦での敗戦以降、その悔しさから目を背け続けてきたという忠願寺だが、心の中には「お姉ちゃんに良い報告をさせてあげられなかった」という後悔が残り続けていた。大会前、姉からは「何も背負わなくていいから、楽しんで頑張ってきて」と温かいエールを受け取ったという。忠願寺は「あの負けた記憶をこの体育館で晴らして、お姉ちゃんにも良い報告ができればいいなと思っています」と、最後の一年にかける決意をにじませた。
順当に勝ち上がれば準決勝で富士見(静岡)と対戦する。富士見は2025年のインターハイでも敗れている相手だ。「これまで2回負けているので『3度目の正直』で勝ちたいです。ベスト4に入って、センターコートで色々なチームと勝負できればいいなと思います」と先を見据えた。




