6日(火)に東京体育館で第78回JVA全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)の2回戦が行われ、優勝候補の一角である鎮西高校(熊本)は愛知工業大学名電高校(愛知)と対戦。1セットを落とす波乱の展開もフルセットで勝利を収め、初戦突破を果たした。
この試合でチームを勝利に導いたのは3年生エースの岩下将大。チームが苦しい中でも気を吐き、第2セットこそ落としたものの最終セットの勝負どころでの爆発へと繋がった。
岩下には、胸に秘めた強い葛藤があった。昨年優勝を果たした第79回国民スポーツ大会頃から、世間の注目は一気にダブルエースの一角である後輩の2年生・一ノ瀬漣「一ノ瀬が注目される中で、悔しい思いもしてきた」。国スポ後は練習でも納得がいかない日々が続き、宮迫竜司監督からは「考えすぎだ」と指摘されたこともあるという。
そんな苦悩の時間を経て迎えた春高の初戦。大舞台の緊張からか、本来のキレを欠き、硬さの見える一ノ瀬の姿があった。その試合で岩下は躍動。「一ノ瀬だけじゃ勝てない。自分がやらなきゃいけない」と、後輩への尊敬の念は持ちつつも、「2年生には負けられない」というエースのプライドが岩下を突き動かした。
この日、一ノ瀬を凌駕するような得点力を見せた岩下は、「あの時の屈辱を少しは晴らせた」と、自信を取り戻した。一ノ瀬の存在については「身近にいる良いライバル」と表現する。苦しい時期を乗り越え、大舞台で結実した岩下の執念。初戦を突破し、安堵の表情を見せた3年生エースの視線の先には、最高のライバルと共に頂点へと駆け上がる、最後の冬のシナリオが描かれている。




