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 2024―25シーズンの大同生命SV.LEAGUE(SVリーグ)が11日からいよいよ開幕する。新たなスタートを切る国内バレーボールリーグ。新シーズンの幕開けに先駆け、SVリーグ男女全24チームをピックアップし、ここでは群馬グリーンウイングスを紹介していく。

クラブヒストリー:戦いの場はDIVISION2からSVリーグへ

 株式会社群馬銀行のバレーボール部として創部されたのが1975年。当時は9人制を主体に活動してきたが、2015年から6人制へ移行し、2015―16シーズンからVリーグに参戦。初年度はV・チャレンジリーグⅡ(当時。いわゆる3部)で5チーム中4位の成績だった。その後、着々とステップアップを遂げて2017―18 V・チャレンジリーグⅡで初優勝を果たす。

 リーグ改編に伴い、2018―19シーズンからはV.LEAGUE DIVISION2(当時。いわゆる2部)を戦い、翌2019―20シーズンで初優勝。続く2020―21シーズンは現在NECレッドロケッツ川﨑に所属する田中瑠奈の活躍もあり連覇を達成した。以降はDIVISION2で2季連続2位、昨季は3位の成績を収めると、今季に際してSVリーグライセンスを取得。チーム史上初の国内最上位カテゴリーを戦う。

 なお、「群馬銀行グリーンウイングス」として長らく活動してきたが、昨季開幕前に事業会社である一般社団法人グリーンウイングスGUNMAの新設にあたり、チーム名も現在の「群馬グリーンウイングス」に変更している。

このオフの動き:戦力を増やしチーム強化へ

 今オフは戦力補強に徹した。その中でも、PFUブルーキャッツ(現在のPFUブルーキャッツ石川かほく)でプレーし、エースそしてキャプテンを務めたハイジャンパー髙相みな実が移籍加入した。同じく国内移籍組としては昨季までトヨタ車体クインシーズ(現・クインシーズ刈谷)に所属していたリベロの小出雛や同じくJAぎふリオレーナ(V.LEAGUE)のミドルブロッカー塩崎葵葉、東レアローズ(現・東レアローズ滋賀)からタイ籍のミドルブロッカーであるウィモンラット・タナハンが加わっている。

 そのタナハンを含めて、SVリーグを戦うために外国籍選手も3人そろえた。その一人がモルドバ籍のオポジットであるアリョーナ・マルティニュークで、過去にヴィクトリーナ姫路で2020―21シーズンにプレーした経歴があり、4季ぶりの日本復帰となる。

 なおルーキーのセッター閑田千尋は中学生時代にJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会で広島県選抜を日本一に導いた経験を持つ。

2024―25シーズンの戦い方予想

 企業スポーツから身を移し、事業会社が運営する「群馬グリーンウイングス」として新たなスタートを切った昨季は最終的に3位でフィニッシュ。その中でも2022―23シーズンから指揮を執る元女子日本代表の齋藤真由美監督が、選手を奮い立たせる手腕に長けて、チームが常に前向きな姿勢を崩さないのは強みでもある。

 今季からキャプテンを務めるセッターの角谷未波は東京の名門・八王子実践高校出身で国内リーグでのキャリアも長く、その豊富な経験でチームを牽引する存在。また昨季チーム最多得点のアウトサイドヒッター藤井寧々や2021―22 DIVISION2で得点王に輝いた白岩蘭奈、昨季DIVISION2でリーグ全体2位のサーブ効果率15.5%をマークしたミドルブロッカー菊地実結は今季も主力を担う。そこに外国籍アタッカーが加わったことで、アタックやブロックの厚みが増すことは確実だ。

 一方で昨季は守護神を務めたリベロの吉岡みなみが退団したが、その穴を移籍加入の小出雛が埋めることになるか。

注目選手:髙相みな実

 身長は164センチと小柄ながら、最高到達点は3メートルを超えるハイジャンパー。アタックセンスも光り、攻撃の要となる。

 中学生時代は2年生時から長野県選抜入りを果たし、3年生時のJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会では日本一に輝いた。その頃からリーダーシップにも秀で、中学・高校・大学といずれもチームではキャプテンを経験。そのキャプテンシーは社会人になってからも変わらない。

 跳躍力を活かした攻撃は武器の一つだが、PFUブルーキャッツ時代に当時の監督である坂本将康から“バレーボールを楽しむこと”を学び、スキル面や豊かな発想力に磨きをかけた。新天地の群馬では坂本GMの元、再び“師弟関係”を結ぶ。

 パフォーマンスを発揮しやすい環境は整っている。SVリーグで“ウイングス”の名のごとく、さらなる飛躍を目指すチームでも中心を担える存在だ。