[写真]=古川剛伊

 2025-26シーズンSVリーグ女子は、NECレッドロケッツ川崎が36勝8敗でレギュラーシーズン優勝を果たした。

 昨年10月10日に開幕した長いシーズンの中で、NEC川崎にとって転機となったのは、12月の皇后杯だった。

 3月14日のSVリーグ・大阪マーヴェラス戦に3-0で勝利した試合後、エースの佐藤淑乃は、「皇后杯の、負けたあの一戦というのは、すごく自分たちを変える一戦だった」と振り返った。

 皇后杯では決勝で大阪MVと対戦。試合はフルセットの激戦となり、第5セットはNEC川崎が14-11と、マッチポイントを握った。しかしそこから、NEC川崎の攻撃が決まらず切り返されたり、サーブに崩されて一気に逆転され、デュースの末に15-17で敗れた。頭を抱えて天を仰ぐ選手、うずくまって涙を流す選手……。試合後の光景からは選手たちのショックの大きさがうかがえた。

[写真]=兼子愼一郎

 リーグと皇后杯は別物だと、ただ切り替えてSVリーグに戻ることもできたが、選手とスタッフは目を背けず、苦い敗戦に徹底的に向き合った。全員で最後のシーンの映像を見返し、技術、戦術、メンタルすべてを検証し本音をぶつけ合った。中谷宏大監督はこう明かす。

「あの負けのあとに、一回チームを壊すというか、スタッフも選手もみんなで本音を出し合いました。あの負けの、一番見たくないシーンを目に焼き付けて、なぜ、あそこから勝てなかったのかというところをみんなで共有した。バレーボールのところだけじゃなく、心情面も含めて、本当に全部さらけ出しました。

 それまでもやっていたこと自体は悪くなかったと思うんですが、1つ1つを本当に100%詰められていたのかどうか。90%ぐらいでもそれまでうまくいっていたから、そのまま皇后杯にいってしまったけど、その詰め切れていなかった10%が、あの局面で全部出たなと。そういうものが、我々もそうだし、選手同士でもいろいろあったと思うので、それを全部出そうよ、というところからスタートして、『これをやっておけばよかった』というものがいろいろと出てきました。深いミーティングになったので、痛い敗戦でしたけど、有意義な時間だったなと思います」

 セッターの中川つかさは、試合中はスパイカーへの“思い”を封印することにした。以前は、ここはこの選手に決めさせたい、このスパイカーを育てたいといった思いもトスを選択する際の一つの要素になっていたが、皇后杯後はそれが入り込まないように心がけているという。

「今もそういう気持ちはあることはあるんですけど、1人の“人”としてスパイカーを見てしまうと、間違った選択をしてしまう時があるので、どちらかというと今は、スパイカーを、人というより、なんて言うか、アイテムじゃないですけど、今誰が決まっているのかといったことを冷静に見られるように意識してやっています。皇后杯決勝の時に、まさにその失敗を経験したからこそ」

[写真]=古川剛伊

 3月14日の試合は、皇后杯決勝以来の大阪MV戦だったが、NEC川崎は好サーブと堅いブロックディフェンスからブレイクを重ねて主導権を握り、2セットを連取。第3セットはデュースにもつれるが、最後は佐藤の好守備をシルビア・チネロ・ヌワカロールやジョバンナ・ミラナ・デイが得点に繋げて競り合いを制し、セットカウント3-0で勝利した。

 佐藤は安堵の表情でこう語った。

「今日の試合は皇后杯以降初めてのマーヴェラスさんとの試合だったので、すごく緊張する部分もありましたし、たぶん1人1人、トラウマじゃないですけど、(レギュラーシーズン)1位にいても、大事な場面でマーヴェラスさんに勝てていないというのがあったと思う。今日は2セット先取したあとの第3セットで、相手に追いつかれて、セットポイントを握られましたが、『ここでしっかり取り切れれば1個成長できるな』という思いもあった。そこからしっかり取り切れたのは、ほんのちょっとだけですけど、成長かなと思います」

 中谷監督も、「あの(皇后杯の)ままガクッといく可能性はあったと思いますが、やっぱりこの子達はすごいなと。0にリセットしたところから、一歩一歩積み上げて、ここまでは来られた」と頷いた。

 ただ、佐藤がチームの成長を「ほんのちょっとだけ」と強調したのは、大阪MVがこのまま終わるわけはないとわかっていたからだ。

 中川も「よくなった部分はあると思うんですけど、私の感覚的に、マーヴェラスさんは『こんなじゃない』と思うような本当に強いチーム。もっと強くて、堅くて、上手な選手ばかりで、本当にいいチームなので、この先を考えた時には、私たちの力はまだまだかなと思います」と冷静に気を引き締めた。

 実際に翌日の試合ではフルセットの末にホームの大阪MVが勝利を収め、底力を示した。NEC川崎はまた、詰めるべき課題を共有し、チャンピオンシップに向けて進んできたに違いない。

 レギュラーシーズン上位8チームによるチャンピオンシップは、4月10日からクォーターファイナルが始まり、3戦2勝方式で毎週勝者が勝ち上がる。今シーズン、どのチームが一番強いのか。“最強”を決める最後の戦いが始まる。

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この記事を書いたのは

米虫紀子

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