24日、アメリカバレーボール協会(USAV)が男子アメリカ代表監督にカーチ・キライ氏が就任したと発表した。
パリオリンピック(五輪)で銅メダルを獲得した男子アメリカ代表。2013年から2024年までの11年間はジョン・スパロー氏が指揮していたものの、10月にUSAVの会長に就任。次の男子代表監督ついて関心が高まっていた。
そうした中、2012年から女子アメリカ代表の指揮官を務めてきたカーチ・キライ氏が男子代表監督を務めることが決まった。
キライ氏は選手時代、1984年のロサンゼルス五輪、1988年のソウル五輪と2大会連続で金メダルを獲得したほか、1996年のアトランタ五輪ではビーチバレーボールに出場し、こちらも金メダルを獲得した。そして、2001年には国際バレーボール殿堂、2008年にはオリンピック・パラリンピック殿堂などいくつかの殿堂入りも果たし、FIVB(国際バレーボール連盟)によって『20世紀最優秀選手』に選出されている。
現役引退後は、2009年に女子アメリカ代表のアシスタントコーチに就任すると、ロンドン五輪後の2012年9月に監督として就任。直近では2024年のパリ五輪で銀メダル、2021年の東京五輪では金メダルに導き、また世界選手権やネーションズリーグでも多くの表彰台への道に貢献した。キライ氏が指揮した12年間の女子アメリカ代表の成績は327勝81敗だという。
男子アメリカ代表監督に就任したことについてキライ氏は、「男子代表チームの監督を務めるチャンスを得て、言葉にできないほど感激している。卓越された試合やトレーニングに励んでいる選手たちを、尊敬と感嘆の念をもって見守ってきた。私が選手として過ごした9シーズンを懐かしく思い出しながら、このチャンスはさらに輝きを増すことになるだろう」と語った。
そして、「名前を挙げればきりがないが、この16年間頑張ってきてくれた女子アメリカ代表チームの選手やスタッフ、そしてこれから共に働く機会を与えてくれた男子チームの選手とスタッフに心から感謝する。逆境に立ち向かい、パリ五輪で銅メダルを獲得した姿は、これに続くすべての人のモデルとなるものだ」とこれまでの女子代表への感謝と、パリ五輪での男子代表の功績を称えた。
また、USAV会長であり前男子アメリカ代表監督のスパロー氏は「USAの偉大な覇者が、アメリカ女子代表からアメリカ男子代表を率いて2028年のロス五輪を戦うことになり感激している。私は、彼の目標を達成するためのプロセスに完全な信頼をおいている」とし、「キライ氏が再び男子代表チームと戦うべくロス五輪の舞台に立つことは、この上なくふさわしいことだと思う」と期待した。
選手として1984年に金メダルを獲得したロス五輪に、2028年に監督という立場でその舞台に立つことになるであろうキライ氏。今後4年間をかけてその手腕がどんな風に発揮されるのか、期待がかかる。