11月4日、横浜市内で電源開発株式会社(以下J-POWERという)が社内向けの運動会を開催。そのプログラムのひとつとして、J-POWERがオフィシャルスポンサーを務める日本バレーボール協会(JVA)の親子参加型社会貢献活動プログラム『つなぐスクール』が実施され、社員と家族(小学3〜6年生)がバレーボール体験を楽しんだ。当日は元女子日本代表の大山加奈さんがインストラクターとして登場したほか、JVAの川合俊一会長も参加し会場を盛り上げた。
このプログラムはバレーボール初心者でも楽しめる内容で、鬼ごっこのウォーミングアップからスタート。続いて少人数でボールに慣れる時間、さらに人数を増やしてパスやアタック、ゲーム形式のメニューへと進んでいき、家族だけでなく初対面のチームメイトともコミュニケーションを深める。仲間と協力してボールをつなぐたびに歓声と笑顔が増えていき、参加者には一体感が生まれていた。
イベント終盤には『つなぐシート』という用紙が配られ、普段はなかなか伝えられない家族への気持ちを書き込む時間が設けられた。保護者、子どもそれぞれが感謝や尊敬の念を自分の言葉で書き記し、グループごとにシートを発表し合う。大山さんもグループの輪に入りながら参加者の思いに触れる和やかな時間が流れた。
結びに、大山さんは参加者へ次のように語りかけ、イベントを締めくくった。
「それぞれに得意なこと、長所、良いところがあるので、それをしっかりと自分で理解して知っておいて、困っている誰かを助けてあげられるような人でいてほしいなと思います。
今日、みんなそうしたよね。誰かがボールを弾いちゃったときも一生懸命走って追いかけたよね。子どもも大人も、みんな最後までボールを追いかけて仲間のカバーをしてくれているのを見て、私は今日とてもうれしかったんです。その気持ちをずっとずっと忘れずにいてほしいなと思います。
家族だけじゃなく、みんなと支え合いながらつながっていってほしいなと思います」
JVAの社会貢献活動プログラム『つなぐスクール』は、バレーボールの“つなぐ”という性質を活かし、自分や身近な人たちが社会とつながることで生まれる信頼関係や尊敬の気持ち、成長の経験から、活力や喜びを得られるようにとの目的で行われている。
川合会長は、プログラムの意義を念頭に、この日の様子を振り返った。
「身近な家族だけではなくいろいろな人たちと交流をもち、接しながら進めていくということが、ものすごく良いと思います。
1人が何度も触ることができないんだな、これは仲間がいないとできないんだなと、相手のことをしっかり考えるきっかけになり、とても意義のあるものだと感じています」
また、大山さんはインストラクターを務めた感想や、このプログラムに関わるにあたって意識していることを次のように語った。
「親子で同じ時間、同じことをして過ごせるというのがすごく貴重なことなんじゃないかなと思います。アタックを決めた後にハイタッチしている姿などを見ると、普段から親の方が意識してふれあいの時間をとっていくことが大事だなと感じさせられますね。
バレーボールは相手のことを考えるのがすごく重要。いかに相手にとってプレーしやすいパスを出せるかなどをきっかけに、相手を思いやる気持ちや人を生かすことの大切さを伝えたいです。押し付けがましくなるとあまりおもしろくなくなってしまうので、自然に感じ取ってもらえたら。
バレーボールだからこそ果たせる役割や価値というものがあると思います。ただ代表が強いとか人気があるというだけではなくて、社会を変えられるメッセージが伝わるような活動ができたらいいなと思っています」
参加した親子にも話を聞いてみたところ、充実した時間を過ごせたことが伝わってきた。
ユウキさん(姉)
「バレーボール自体はやったことがあります。今までは知っている人とだったのでやりやすかったんですが、 今日は新しいあまり知らない人とやってみて、初めて会う人とやるのはちょっと難しいなと思いました。
(つなぐシートの記入の時間では)お父さん、お母さんが遊びに連れて行ってくれたりして楽しかったので、改めて感謝の気持ちが湧いてきたというのと、これからもいろいろと挑戦してがんばっていきたいなと思いました」
レンくん(弟)
「みんなで力を合わせてやったのが楽しかったです」
ユウジさん(父)
「最初はこのイベントの趣旨をあまり把握せず参加していたんですが、参加してみて楽しいなと思いました。バレーボールは子どもと一緒に同じ土俵に立ってやれるスポーツだなと。『つなぐスクール』の取り組みは一緒に楽しむことができました。
特に上の子(ユウキさん)は今、勉強をすごく頑張っているなかで、今日はそこから離れてリラックスしてイベントに参加できました。勉強ばかりで辛いこともあったと思うんですが、勉強を一緒に応援してくれて感謝していると伝えてくれたので、すごくうれしかったです。
バレーボールの特性を活用した『つなぐスクール』は、体を動かすことだけでなく、時間や感情を共有しながら社会とのつながりを感じ、協力したり思いやりの心をもったりすることの大事さを伝える取り組み。家族、地域、企業など様々な単位の社会をつなぐきっかけづくりのツールとして、JVAは今後、各地での展開を予定している。