[写真]=トシキ

 今季から母国ポーランドに戻り、ケンジェジン=コジレでキャプテンを務める男子ポーランド代表のバルトシュ・クレク(36)が、日本とポーランドリーグの違いや2人の世界最高峰のリベロについて語ってくれた。

 2020年7月に当時V.LEAGUE DIVISION1のウルフドッグス名古屋に加入したクレク。そこから4シーズンにわたってプレーし、2022―23シーズンにはリーグ優勝に貢献。その実力だけでなく人柄でも多くの選手やファンを魅了していたが、昨シーズン限りでWD名古屋を退団。現在は古巣ケンジェジン=コジレでプレーしている。

 日本とポーランドのリーグの違いを肌で知るクレクだが、選手目線で感じる2つのリーグの違いを教えてくれた。

「違いは大きいと思う。ここには身体的に優れた選手が多くいて、試合も身体能力や力強さがより際立っているんだ。日本はディフェンスが並外れていて、ポーランドよりも優れていると思うよ」

「ただ、正直に言うと私たちのチームのリベロであるエリック・ショージは、日本のリベロに勝るとも劣らない優れた選手さ。今日も見てもらったように彼は世界一のリベロの一人だよ」

「それから、ファンは同じだと思う。ただエネルギーの種類は違うところもあって、ここではファンもバトルをしているようだけど、日本のファンはいつも友好的なんだ。ただ完全に一緒なのは、会場が満員で雰囲気が素晴らしいことだね」

 クレクの話に出てきたエリック・ショージは、長い間男子アメリカ代表の守備を支えるリベロ。パリオリンピックでも銅メダル獲得に貢献していた。

 そこでクレクに、あえてエリック・ショージとWD名古屋時代にともにプレーした男子日本代表のリベロ小川智大の名前を出してみた。
 
 すると、少し悩んでからクレクが考える2人のリベロ評を教えてくれた。

「私はトモ(小川)が大好きだよ。彼は世界一の選手の一人で、人間としても私のキャリアの中で会った中でも一番の人物の一人だ。ただ、エリックもとても尊敬に値する人物なんだ。彼は多くの勝利を収めている。少しだけだけどエリックの方が優れているだろうね。トモはまだ努力が必要だ。トモはまだ若いから将来もっと上手くなるよ」

 WD名古屋時代からとても距離が近かった2人。遠く離れた今もクレクは小川に期待を寄せている。

取材:トシキ