[写真]=坂口功将

 令和6年度天皇杯・皇后杯 全日本バレーボール選手権大会のファイナルラウンドは12月12日(木)からAsueアリーナ大阪で開催されている。

 12日(木)に行われた1回戦では、全日本バレーボール大学女子選手権大会(全日本インカレ女子)で優勝を果たした筑波大学が、今シーズンVリーグにて6戦全勝で首位に立つブレス浜松をフルセットの末に撃破し、2回戦に勝ち進んだ。13日(金)の2回戦の第1試合、その筑波大学を迎え撃つのは2023-24シーズン王者のNECレッドロケッツ川崎だ。

 筑波大学はオポジット(OP)に門田湖都、アウトサイドヒッター(OH)に阿部明音、瀧澤凛乃、ミドルブロッカー(MB)に本田凛、清岡美緒、セッター(S)は熊谷仁依奈、Lに中村悠と井上凛香を起用し、1回戦と全く同じ布陣で挑んだ。

 対するNEC川崎は、OPに原嶋睦夢、OHに山内美咲と田中瑠奈、Sに澤田由佳、MBに野嶋華澄と伊藤一葉、Lに藤井莉子が起用され、普段のSVリーグ戦では出場が少ない選手を中心としたメンバーで固めた。

 1セット目、序盤にサービスエースを取られたNEC川崎だったが、やり返すようにサーブで筑波大のレセプションを崩しブレイクを成功させ前に出る。また要所でのブロックポイントも決まり、その点差を広げる。中盤から終盤にかけて両者粘り強いバレーを展開するが、そのラリーをNEC川崎が勝ち切る場面が増え、筑波大は点差を縮められないまま、最後は長いラリーを制したNEC川崎が25-18で先取する。

 続く2セット目、中盤まで一進一退の攻防が続き、点差がつかないまま試合が進む。その拮抗した展開を破ったのは筑波大、守備からの切り返しでブレイクに成功し3点差をつけることに成功。しかしそこからNEC川崎がブロックポイントを含む連続ポイントを重ね、21-21の同点に追いつく。それでも粘ってブレイクをものにしリードした筑波大が23-25と2セット目を取り返し、試合を振り出しに戻す。

 注目の3セット目、NEC川崎のスパイクを根気強く拾って攻撃に繋げた筑波大がブレイクを取り、6-9と一歩リードする。その後も粘り強い守備が光った筑波大が流れを掴み、ブロックポイントや空いたスペースに巧く落とす軟打を決め、徐々に点差を広げていく。対するNEC川崎はブロックを意識しすぎてかスパイクがアウトになるミスが出る。このセットは勢いそのままに15-25の大差で筑波大がとり、勝利に王手をかける。

 4セット目、後がないNEC川崎は序盤で筑波大に僅かなリードを許すが、点差を離されまいと食らいつく。取っては取り返される攻防となり拮抗した試合が展開される中、終盤にブレイクに成功したNEC川崎が2点差をつけて一歩前に出る。集中力を切らさず、得点を重ねたNEC川崎が25-23でこのセットを取り切り、勝負の行方は最終第5セットへもつれる。

 勝負が決まる最終セットの序盤、守備からの切り返し、またNEC川崎のミスなどで前に出たのは筑波大で6-8でコートチェンジとなる。2点差が縮まらない中、終盤サービスエースを決めた筑波大がさらに点差を広げ、さらにチャンスボールでNEC川崎に返ってレシーブしたボールがネットを越えてしまう繋ぎのミスで筑波大に流れが行くかと思われた。しかし、意地を見せたNEC川崎はそこから怒涛の連続ポイントで14-14に追いつきデュースにもつれる。そこからサイドアウトの応酬が続くが、筑波大がマッチポイントのシーンで長いラリーを制し、18-20で大接戦の勝利を収めた。

 1回戦、2回戦と連続のフルセットでVリーグ、SVリーグのチームを下した筑波大学。今試合でも粘り強い守備から攻撃に持っていき、長いラリーでも集中力を切らさない堅実なバレーを見せ勝利を手にした。NEC川崎に勝利した筑波大は、14日(土)に行われる準々決勝で、岡山シーガルズvs東レアローズ滋賀の勝者と対戦する。

■試合結果 Cコート第1試合

NEC川崎 2-3 筑波大

第1セット 25-18
第2セット 23-25
第3セット 15-25
第4セット 25-23
第5セット 18-20