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 31日、パリ2024オリンピック (パリ五輪)男子予選グループCの第2節が行われ、バレーボール男子日本代表が男子アルゼンチン代表と対戦した。  

 グループステージ初戦の男子ドイツ代表にフルセットで敗れパリ五輪黒星スタートとなった日本。初勝利を目指すアルゼンチン戦では、ドイツ戦と同じスターティングメンバーを起用した。  一方、東京五輪で銅メダルを獲得した強豪ではあるが、グループステージ初戦で男子アメリカ代表に敗れたアルゼンチン。こちらも中心選手であるセッターのデチェッコや2年連続でVNL最多ブロック本数を記録するミドルブロッカーのロセルらを起用してきた。  

 そんなアルゼンチンとの第1セットは、序盤に西田有志や髙橋藍のサービスエースが出るが一進一退の拮抗した展開となる。先にその均衡を破ったのは西田のサービスエース2本だった。サービスエースから流れを掴むと日本の持ち味であるディフェンスが光る。本来ディフェンスが苦手と言われているミドルブロッカーだが、そのミドルブロッカーが好ディフェンスを見せるのが今の日本だ。その後も好ディフェンスやセッター関田誠大の多彩なトスワークによりリードを広げ、チーム全体でサービスエース7本を取り大差で第1セットを取った。  

 第2セットは第1セットとは打って変わってアルゼンチンのサーブに苦しみ序盤大幅にリードを許してしまう。また、アルゼンチンのブロックを上手く使った攻撃やデチェッコの代名詞であるミドルブロッカーを積極的に使うトスワークによりリードがなかなか縮まらない。

 しかし、日本のブロックタッチが取れ始めたことやリベロの山本智大の好セーブからの得点により遂に20-20でアルゼンチンを捉える。また、この場面で日本のワンタッチを指摘したアルゼンチンがチャレンジをするも失敗。その判定に納得がいかないアルゼンチンが抗議を繰り返すとまさかのレッドカードが提示され、バレーボールのレッドカードは相手に1点が入るため一気に日本が逆転する形となった。日本の24点目には身長175センチの関田のブロックポイントもあり、そのままの勢いで第2セットを大逆転で奪い取ることに成功した。  

 第3セットも第2セット同様にアルゼンチンの両サイドの活躍や狙いのいいサーブで序盤リードを取られる。中盤で一時1点差に迫る場面もあったが、アルゼンチンのアウトサイドヒッターのブルーノ・リマのサーブを起点にブレイクを許し点差を広げられてしまう。なんとか状況を打開したい日本は石川祐希に代え大塚達宣、西田有志に代え宮浦健人を投入するも、デチェッコの華麗なトス捌きと両アウトサイドの活躍により第3セットを奪い返されてしまう。  

 続く第4セットも拮抗した入りとなったが、アルゼンチンのブロックが機能し始め日本の攻撃がシャットアウトを食らう場面が増える。しかし、中盤に差し掛かる場面で石川祐希のブロックポイントが出て逆転に成功。その後は一進一退の攻防が続く中、日本にブロックポイントが2本生まれ3点差をつける。アルゼンチンは抜群のディフェンス能力と器用な両サイドが得点し食い下がるも、このセットを取り切って今大会初の白星をあげたい日本は最後西田と代わって入った宮浦が決め切り、第4セットを取り切りパリ五輪での初勝利をあげる。  

 高さはないがチームとしてディフェンス能力が高く、多彩な攻撃バリエーションを持つ両サイド、攻撃陣を操るトス能力が非常に高いセッターを擁するというプレースタイルが似ている両者の戦い。アルゼンチンのブロックやデチェッコのトスワークに苦しめられたが、ミドルブロッカーの活躍と関田のトスワークが光り日本が予選ラウンド初白星。決勝ラウンド進出に向けて大きな1勝となった。日本の予選ラウンド最終節は8月2日28時から行われるアメリカ戦。悲願のメダル獲得に向けてまずは決勝ラウンド進出を目指す。

■試合結果

日本 3-1 アルゼンチン

第1セット 25-16
第2セット 25-22
第3セット 18-25
第4セット 25-23

この記事を書いたのは

VOLLEYBALL KING 編集部

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