[写真]=坂口功将

 サーブに代表されるように、シーズン中に技術向上にトライできるのも、「イタリアだからかもしれない」と大塚。それはリーグの、とりわけレギュラーシーズンのスケジュールが背景にある。

「『今はサーブのスピードを上げたい』と割りきれるのも、試合が週1だからかもしれないです。日本では週末に2試合があって、前日の会場練習を含めるとその3日間はほぼ練習がない状態でした。それに自分自身も先発で出場させてもらう中、平日の練習で向上していくことはもちろんでしたが、一方で週末にピークを持っていくことやコンディションを合わせる必要がありましたから」

「対してイタリアは試合が週1で、会場練習も当日の午前中のケースがほとんどです。その分、試合の前日までしっかりと練習内で取り組むことができます。サーブだけでなく、いろんなことにトライして、アドバイスをもらっています」

 アドバイスをくれるのはピアッツァ監督だけではない。ミラノには大塚も含めてアウトサイドヒッターが4人いるが、たとえポジションが同じでも大塚は助言を仰ぎ、それに返してくれる間柄があるという。

「(マテイ・)カジースキにも、(ヤシン・)ルアティにも聞きにいきます。その2人は経験値が豊富ですし、(ダビデ・)ガルディーニは近い世代でこれからそれぞれの国で代表チームを引っ張っていきたいと思う立場どうしです。同じアウトサイドヒッターでもタイプが異なるので、お互いに学べる部分があります」

「その4人のうちの2人がコートに入るわけですが、一人の調子が悪ければ誰かが入りますし、誰が出ていても応援できる関係性です。なので、ぎくしゃくするような雰囲気はまったくありません。練習終わりにガルディーニとアタックの助走について話し合っていたら、すぐそばにいたセッターの2人へガルディーニが『タツ(大塚)はこう考えていて、明日の練習ではこうトライしてみたいと言っているけれど、どう?』とイタリア語で伝えてくれたこともありました。ほんとうに家族みたいな、とてもいいチームだと感じます」

 なお、カジースキといえば日本のVリーグでもプレーした実績があり、40歳を迎えてなお第一線に立つ“生きる伝説”。ルアティはフランス代表で活躍し、2度の金メダルを獲得しているエースだ。一人のバレーボール選手としても学べることは決して少なくないだろう。

「自分が成長するためでもありますし、この仲間がいるからこそチームのためにも自分が強くなりたいんです」

 温かい空気に包まれながら大塚は今、レベルアップの日々を過ごしている。

[写真]=坂口功将