――春頃に決まってから、どんな準備を重ねましたか?
垂水 リーグ戦も続いていましたし、黒鷲旗(全日本男女選抜バレーボール大会)への出場が決まっていたので、そこで自分としては自信をつけたいと考えていました。それにパナソニック(当時)でプレーするいったんは最後の大会でしたので、結果を求めていました。引退される選手もいましたしね。パフォーマンス自体は可もなく不可もなく…やはり久しぶりの試合でしたので難しい感覚はありました
そうして黒鷲旗を終えてからオフシーズンを挟んで、調整したい…と思っていたのですが、チームのバレーボール教室などもあって。またチステルナへの合流が8月末と伝えられたのも8月に入ってからで、準備自体はバタバタ。実感のないまま、気づいたらイタリアにいました(笑)。
――合流した際のチームの雰囲気はいかがでしたか?
垂水 現地に到着してから次の日に、チームの練習で合流しました。緊張しましたが、みんなやさしい方々ばかりで、温かく接してくれました。それに練習メニューの下に日本語での説明も添えてくれていたので、ほんとうに「いいチームだな」と感じましたね。監督からの指示も基本的にはイタリア語なのですが、最初は英訳してもらって、それを聞いて実行する、という具合でした。
チームとしては若手、中堅、ベテランのバランスがうまく取れている印象で。自分は中堅に位置しています。年齢層に幅はあるけれど仲がよくて、同年代のイタリア人リベロ(ドメニコ・パチェ)と、スペイン人アウトサイドヒッター(ジュルディ・ラモン)と一緒に海に出かけたのが初めての外出です。海には車で20分くらいで行けるので、何度か。練習終わりの日が暮れるか暮れないかくらいの時間帯に出向いて、ときには海へ入って、近くの飲食店でゆっくりして、ピザやジェラートを食べてから帰りました。
――セッターはイタリア籍のベテラン、ミケレ・バラノビッチ選手です。外国籍セッターとのコンビはいかがでしたか?
垂水 練習で回数を重ねることで、うまく折り合いをつけられるようになりました。セッターの癖をつかんで、たとえ言葉はなくても練習の中でコンビが合う回数も増えていきました。合流した当初は、自分も咄嗟に言葉が出なくて悩むことはありましたが。
とはいえコンビがしっかり合うまでに時間はかかりましたね。2ヵ月ほどでしょうか。プレシーズンマッチもあった中で徐々にコンビが合っていきました。
驚きと実感のないままイタリアの地に降り立った垂水。新鮮なメンバーに囲まれて過ごす、セリエAでの初めてのシーズンはいかなるものなのか。インタビューは後編へ
