[写真]=坂口功将

 令和6年度全国中学生選抜女子(全中選抜)でキャプテンを務めた、小林天音(こばやし・あまね/北沢中〔東京〕3年)。身長177㎝という同年代のセッターとしては高さを備える彼女は今年の2月に日の丸をつけて海外遠征に臨み、現地イタリアで開催されたユース世代の国際大会「Nations Winter Cup」でチームを優勝に導くと、自身も大会ベストセッターに選出された。

(※原稿内の所属、学年は取材当時)

 全中選抜自体は中学2年生時に続いて2年連続での選出だったが、今回はキャプテン。自チームの北沢中でも、昨年末のJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会の東京都選抜でも担ってはいない大役だった。今年1月の全中選抜二次合宿では、素直な胸の内を明かしている。

「全然実感もないですし、自分で大丈夫なのかな、と心配に思う部分はあります。それに、周りの会話をうまくまとめたりすることに苦手意識を持っていて。キャプテンだったら自分からどんどん発信もしていくべきなんですけど…」

 これぞまさに苦笑い、という表情を浮かべた小林。それでも「ですが、今回は1年前に全中選抜を一緒に経験したメンバーがいますし、自分一人ではないので。苦手意識があるからこそ自分を成長させる機会にしたいと考えています。コート上で周りを引っ張っていく選手になれるように。それが今回の目標です!!」と言葉に力を込めた。

 決して自信がないわけではない。自分の思いはしっかりと軸として持っている。ただ自分にはとことん謙虚で、相手にはとことん気を遣う。それが小林の人柄であり、よさでもあるのだが…。

トスを上げる小林天音[写真]=坂口功将

「自分なんかが、と思う時もありますし、そもそも相手に物事を言うのが苦手なタイプなんです。相手の気持ちを考えて…考えすぎてしまって、言わなきゃいけない場面で自分が引いてしまう。そこは自分の課題だと感じています」

 抱える課題はプレーにも影響した。例えば試合中にコンビが合わずアタッカーが得点できないと、途端に“テンパって”しまう。そもそも緊張する性分とあって、混乱は一気に加速する。

 今年の全中選抜では、その課題と向き合った。いざ試合では「しっかりと仲間と目を合わせたり、仲間がどんなトスを求めているのか、についてきちんとコミュニケーションをとることを心がけていました」と小林。また、遠征中に実現したトッププレーヤーとの対面が変化をもたらした。