2024-25大同生命SV.LEAGUE MEN(SVリーグ男子)のレギュラーシーズン全日程終了に伴い、レギュラーシーズンのリーダーズ及び個人表彰受賞者が発表された。
2024年から装い新たに始まったSVリーグ。男子では全10クラブが44試合を戦い抜いた。個人賞の各部門のでは、ニミル・アブデルアジズ(ウルフドッグス名古屋)が総得点、アタック決定率、サーブ効果率の3部門でトップ。1セットあたりのブロック決定本数は西本圭吾(東レアローズ静岡)、サーブレシーブ成功率は森愛樹(日本製鉄堺ブレイザーズ)がトップだった。
今回は各部門のスタッツリーダー3選手と、それに匹敵する活躍をした3選手を解説していく。
SVリーグ男子のスタッツリーダーズ
①ニミル・アブデルアジズ/ウルフドッグス名古屋(トップスコアラー・トップアタッカー・トップサーバー)

ニミルは3冠(総得点・アタック決定率・サーブ効果率の3部門で1位)を達成したSVリーグトップスパイカーだ。
彼は全てのパラメーターがMAXの世界最強の選手の1人だ。筆者はニミルを4年間追ってきたが、日本に来るまでは高さとパワーが武器の選手だと思っていた。世界2位のサーブ速度を記録していたり、高いトスをパワフルに叩き込むプレーが目立っていたからだ。
しかし、SVリーグのニミルは全く逆で、速さとテクニックが目立っていた。常にクイックのように速いトスを要求して、世界的な選手を止めるぞ!と力むブロックを嘲笑うかのように空中にそっと置くようなフェイントで巧みに得点していた。サーブではコートの穴を突いたショートサーブを積極的に仕掛ける場面も目立っていた。
チャンピオンシップでも、高さ、パワー、テクニック、バレーIQの全てを兼ね備えたニミルの、臨機応変で思わず唸ってしまうような華麗なプレーに注目だ。
②西本圭吾/東レアローズ静岡(トップブロッカー)

西本は1セットあたりのブロック決定本数1位記録したSVリーグ最強のブロッカーだ。200cmが当たり前のMBで189cmの西本がトップブロッカーを受賞したのは歴史的な快挙と言っても過言では無い。
西本がブロックを得意とする秘訣は大きく2つだ。
1つは試合映像の読み込みだ。試合の映像を見るのが好きで、特にセッターの癖を分析すると語っている。試合中にこのセッターはこういう場面ではこの確率でこの攻撃を選択してくると、彼の中で具体的な数字があってブロックを跳んでいるそうだ。
2つ目は粘り強さだ。西本は最後の最後まで諦めずにブロックに跳ぶので、スパイカーがブロックが無いと思って打った先に、西本がギリギリで間に合ってシャットするというシーンが目立っている。
高さの差を埋めた西本のブロック技術が世界最高峰なのは疑いようが無い。
③森愛樹/日本製鉄堺ブレイザーズ(トップサーブレシーバー)

サーブレシーブ成功率1位の記録は、これまで日本代表に選出されたことがなかった超新星の森が達成した。(4月17日に発表された2025年度の日本代表メンバーに初選出)
森のサーブレシーブは正確性はもちろんのこと守備範囲の広さも特徴的だ。成功率に加えてサーブの受数もリベロではトップの数値を誇っている。
試合中の森は味方スパイカーをかばうように敵のサーブを積極的にスティールするプレーが目立っていた。
サーブレシーブは完璧な森だが、自身の課題としてディグ(スパイクレシーブ)を挙げていた。
実際、シーズン序盤の日鉄堺BZのディグリベロは堀江友裕が担当していて、2枚リベロの体制を敷いていた。
しかし、シーズン終盤には森はフル出場するように。絶賛成長中の超新星リベロの活躍から目が離せない。