15日、V.LEAGUE MEN EAST(Vリーグ男子 東地区)の富士通カワサキレッドスピリッツは、今季限りで現役を引退する選手3名と退任するスタッフ2名のコメントを発表した。クラブ公式サイトが伝えている。

 現役引退を発表しているのは、アウトサイドヒッターの樋内竜也(24)とオポジットの吉田綜眞(28)、セッターの小野宙(26)の3名。監督の山本道彦氏(58)とアナリスト兼マネージャーの村越莉子氏(23)も、退任を発表している。すでに現役引退や退任することは明らかとなっていたが、今回その5名がコメントを発表した。

 樋内は東海大学卒業後、2023年に富士通へ入団。在籍2シーズン目となる今季は21試合でベンチ入りし、合計91得点をあげている。

 吉田は筑波大学卒業後、2020年に富士通へ入団。在籍5シーズン目となる今季は11試合でベンチ入りし、主にリリーフサーバーとして出場していた。

 小野は順天堂大学卒業後の2021年に富士通へ入団し、今季で在籍4シーズン目。副キャプテンを務めた今シーズンは27試合でベンチ入りし、合計18得点をあげていた。

 山本氏は2003年に富士通の監督に就任。2017ー18シーズンにV・チャレンジリーグで悲願の優勝を果たすと、翌年のV.LEAGUE DIVISION2初年度である2018ー19シーズン、更には2019ー20シーズン、2020ー21シーズンも優勝。チームを4連覇へと導いた。今シーズンはVリーグ男子 東地区でレギュラーシーズン3位となり、惜しくもプレーオフ進出を逃した。なお今後は、チームのゼネラルマネージャーとして活動していくとのことだ。

 村越氏は大阪産業大学卒業後の2024年に富士通へ入団し、アナリスト兼マネージャーとして活躍していた。

 5名のコメントは以下の通り。

■樋内竜也

「今シーズンをもって引退をすることに決めました。私は22ー23シーズンから3シーズン富士通に在籍いたしました。私がバレーを始めたきっかけは、小学1年生でした。「兄に負けたくない!」その対抗心で始め17年も続けることができました。バレー人生では試合に負けて辛い時や、思うようにプレーできなくてもどかしい時もたくさんありましたが、指導者、チームメイト、ファン、友人、家族のおかげでここまで続けることができました。ほんとにたくさんの人に支えられ充実したバレーボール人生で最高に楽しかったです。同期がまだまだ頑張ってくれているので、応援に行きます!!最後に携わっていただいた皆様に感謝申し上げます。これまで本当にありがとうございました」

■吉田綜眞

「いつも応援してくださるファンの皆様、そして共に汗を流したチームメイト、温かく支えてくれた家族へ。私、吉田綜眞は、この度、バレーボール選手としての22年間の現役生活に幕を下ろすことを決意いたしました。小学校でバレーボールを始めたあの日から、今日まで、本当に多くのことを経験させていただきました。勝利の喜び、敗北の悔しさ、そして何よりも、素晴らしい仲間たちとの出会い。振り返れば、バレーボール中心の人生でしたが、その中で得た経験は、かけがえのない宝物です。ここまで続けてこられたのは、どんな時も応援してくださったファンの皆様の熱い声援、苦しい時も励まし支え合ってきたチームメイトの存在、そして、一番近くでいつも私を信じ、支えてくれた家族の温かい愛情があったからです。22年間のバレー人生において関わったすべての人に、心から感謝申し上げます。本当にありがとうございました」

「そして、特によしき、ジェフリー、たに、でまちへ。先に引退してごめんな。みんなとコートで共に戦ったこと、ふざけあったこと、遊んだことは私にとってかけがえのない時間でした。みんなの活躍はこれからもずっと応援しています。今後は、まずゆっくりと休養を取り、心身ともにリフレッシュし、バレーボールを通して培った経験を活かし、人生を楽しみながら歩んでいきたいと思います。これからも、富士通バレー部を温かく見守っていただけたら嬉しいです。これまで応援していただき、本当に本当にありがとうございました」

■小野宙

「いつもご声援、誠にありがとうございます。4シーズンにわたりVリーグチームのセッターとしてプレーできたこと、そして多くの方々に支えていただいたことに、心から感謝申し上げます。これからは新たな道へ進みますが、どうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました」

■山本道彦

「この度、富士通カワサキレッドスピリッツ監督を退任することとなりました。2002年に監督を引き継いでから、通算18年間にわたり監督を務めさせていただきました。現役時代から感じていたチームの特長を、『明るく、楽しく、そして強く』というスローガンに掲げ、当時3部リーグ(地域リーグ)に所属していたチームを、上位カテゴリへの昇格を目標に注力してまいりました。昇格には3年を要しましたが、2006シーズンよりVリーグに参戦し、その後5シーズンの勝田監督を除き14シーズンに渡りVリーグで指揮を執らさせていただきました。通算290試合を戦い、219勝71敗という成績を残すことができ、優勝という貴重な経験もさせていただきました。Vリーグ以外にも国民スポーツ大会(現 国スポ)、天皇杯などにも出場させて頂き、多くの結果を残せたことも素晴らしい経験をさせて頂いたと思っております」

「一方で、入替戦に出場しながら昇格を果たせなかったことは、私の力不足であり、大きな反省とともに胸に刻んでおります。ここまで長く監督を続けることができたのは、会社関係者の皆さま、JVLおよび地元協会の皆さま、そして常に温かく応援してくださったファンの皆さまのご支援があってこそと、深く感謝しております。そして何よりも、選手・スタッフの皆さんの支えと日々の努力のおかげで、私自身も多くの素晴らしい経験をさせていただくことができました。この場をお借りして、改めて心より御礼申し上げます。今後はGMとして、チームの裏方から全体を支える立場に移ります。新たな体制のもと、チームがさらに成長していけるよう、力を尽くしてまいります。引き続き、富士通カワサキレッドスピリッツへの変わらぬご声援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。本当にありがとうございました」

■村越莉子

「この度、富士通カワサキレッドスピリッツのアナリスト兼マネージャーを退任する運びとなりました。富士通での経験は、これからの人生の大きな糧です。これまでバレーボールを通じて出会ったすべての皆様に、厚く御礼申し上げます。今後も、富士通カワサキレッドスピリッツの更なるご発展とご活躍をお祈り申し上げます」