日本バレーボール協会(JVA)は11日、外国籍選手の帰化および日本代表入りを巡る対応の不備について会見を開いた。専務理事の國分裕之氏と業務執行理事の内藤拓也氏が出席し、事案の経緯や第三者委員会の報告、今後の対応について説明した。
ポイントとなったのは、外国籍選手の日本代表入りに必要な「Field of Origin(FoO、所属国協会)」の変更に関する国際バレーボール連盟(FIVB)の規定改定だった。
該当選手が日本代表入りを目指す中、当時の所属クラブが帰化に関する支援を望みJVAにも依頼。該当選手が帰化申請をした上で、JVAは2023年2月に該当選手の帰化支援を開始していたが、同年6月にはFoOに関する取り扱いがFIVB内で大きく変更された。
FIVBは変更決定に際し、新たな規定の施行までに90日間の猶予期間を設けていたが、JVA内でこの情報が共有されず。この90日間で申請していたとしても要件が整っていなければFoOの変更は認められなかったとされるが、JVAはこの期間で何かアクションを起こすことはなかった。
國分専務理事は「協会内で展開はしていたが、担当不在もあり、誰も気づかなかった。我々の落ち度」と謝罪した。
この対応の不備を受け、JVAは第三者委員会を設置。報告書では、帰化支援は本来JVAの業務ではないものの、専門部署の不在、国際部門との連携不足、レギュレーション変更への対応体制が未整備だったこと、危機管理対応の欠如、文書管理規定がいないことなどが問題視された。また、今後は懲罰制度の整備と周知も必要とされた。
JVAは当該選手と現在もコミュニケーションを取り続けているというが、現時点でのFoO変更はFIVBから断られている。
該当選手の帰化はすでに認められているが、FoO変更が認められなければ日本代表入りは叶わない。「選手ファーストで支援していく」と強調した一方、「正面突破は難しい。国際弁護士と連携し、他競技の事例も調査している」と述べた。
一部報道で上申書の偽造があったとの指摘もあり、これについてもコンプライアンス委員会が調査中。國分氏は「現段階で偽造認定はされていないが、理事会で審議される」と述べ、今後の処分については16日の理事会で決定される見込みだ。