ドイツのドレスナーSCへのレンタル移籍が決まったヴィクトリーナ姫路の日本代表アウトサイドヒッターの秋本美空(18)が1日、移籍会見を行った。
元女子日本代表の大友愛さんを母に持つ秋本は、2023年のU19世界選手権でベストスコアラーとベストアタッカーの二冠に輝き、一躍注目を浴びた。2025年の春高バレーでは共栄学園高校のキャプテン兼エースとしてチームを日本一に導き、自身も最優秀選手に選出された。
高校卒業後び姫路に加入すると、シーズン途中ながら12試合に出場し142得点を記録。その活躍が認められ2025年の日本代表にも選出され、ネーションズリーグを経験した。
移籍会見で秋本は、「高校を卒業してから海外に挑戦してみたいという気持ちはあった」としながらも、今回の決断を後押ししたのは日本代表での経験だったと語る。「代表の試合などを通して、もっと海外に通用するような選手になりたいと強く思った。海外で経験を積んで、全てのプレーにおいて成長したい」と力強く述べた。
姫路の上原光徳社長は、今回の移籍を「秋本選手自身が世界のトッププレイヤーに成長することを第一の目的としており、クラブとしても将来的な世界クラブ選手権優勝を目指すための第一歩」と位置づけている。
移籍先のドレスナーSCは、ブンデスリーガ優勝6回、国内カップ優勝7回を誇るドイツの名門クラブである。育成にも定評のあるドイツリーグの中でも、上位争いを演じる強豪だ。クラブは、若き才能がじっくりと成長できる環境としてドイツリーグを選んだと説明した。
秋本もドイツの印象について、「高さがあるリーグ。自分の高さがどれだけ通用するか試したい。国に関しても綺麗な街だと聞いている」と期待を寄せた。
会見では、将来への具体的な目標も語られた。秋本は同じく海外でプレーする石川真佑の名前を挙げ、「石川選手は本当にすごい選手。でもチームとしては世界一になれない部分がある。自分も日本のチームに貢献できるように、全ての部分で世界に通用する選手になりたい」と語った。
その視線の先にあるのは、最高の舞台だ。「オリンピックに出て金メダルを取れるチームに、自分が入って貢献できるような選手になりたい」とも意気込んだ。
母である大友さんからも「早いうちに経験した方が絶対に成長できる」と背中を押されたという秋本。同年代では異例の若さでの海外挑戦となるが、「自分がどれだけできるのか、すごい楽しみです」と不安よりも期待が上回っているようだ。
秋本は今後、8月22日に開幕する女子世界選手権大会終了後にドイツへ渡る予定だ。プレーだけでなく、一人暮らしとなる生活面での成長も求められる挑戦が始まる。「言葉が通じないのは不安だが、プレッツェルがおいしいと聞いたので食べたい」と18歳らしい一面も見せていた。