いよいよ12日に開幕を迎える2025バレーボール男子世界選手権(世界バレー)。男子日本代表は予選ラウンドでプールGに入っており、トルコ代表、カナダ代表、リビア代表と対戦する。
予選ラウンドでは、同プールの相手と1回総当たりで対戦し、各組の上位2カ国が決勝トーナメントに進出する。
その予選ラウンドの初戦で対戦するのがFIVBランキング16位のトルコ。今回はそのトルコについて解説していく。
1.トルコの特徴
トルコは現在のFIVB世界ランクで16位につけている。(日本は5位)
ネーションズリーグ2025では18チーム中16位と振るわなかったが、近年実力をつけてる油断ならないチームだ。トルコは高さとパワーが特徴のチームで、勢いづけばどんな強豪国でも倒せるポテンシャルを秘めている。
プレースタイルは日本が最近対戦したチームに例えるとポーランド代表に似ている。アタック、サーブ、ブロックといった空中戦は世界トップクラスだが、地上戦のレシーブは少し粗さがある。
特にサーブはセリエAで活躍してるアウトサイドヒッター(OH)のエフェ・マンドゥラジュ(VNLでサービスエース数1位)と、OPのアディス・ラグムジア(セリエAでサービスエース数5位)の2人は要警戒だ。
2.トルコ躍進の理由
ティリ監督が予選で対戦する中で最も警戒するほどトルコが実力をつけてる背景には、トルコリーグのレベルが高くなっていることが挙げられる。
トルコリ―グには世界トップのスター選手が多く集まっていて、外国人枠が3枠と多いのが特徴だ。(SVリーグは2枠)
五輪MVPのフランス代表OHイアルバン・ヌガペト、彼の対角だったトレボール・クレブノ、アメリカの大エース、マシュー・アンダーソン(2025-26シーズンは日本製鉄堺ブレイザーズ)などが昨季のトルコリーグでプレーしていた。
また石川祐希が所属するペルージャが優勝した欧州チャンピオンズリーグでも、ハルクバンクというトルコのクラブチームがベスト4に入っていたことがレベルの高さを証明している。
トルコ代表の選手の多くがトルコリーグに所属しており、常にハイレベルな環境でプレーしていることがトルコバレーが実力をつけている大きな要因だ。
3.トルコの注目選手

トルコの注目選手はやはりマンドゥラジュ(OH/23歳/身長206cm)だ。
トルコの若きOHで、身長206cmの高さと身体能力の高さを活かしたスパイクとサーブが武器の選手だ。日本代表に例えるなら甲斐優斗が最も彼にプレースタイルが近い。
VNLではチーム内最多得点の活躍で、正OPのラグムジアがケガで離脱していた中でエースとして活躍した。
そしてVNLトップのサービスエース数を記録した世界トップクラスのサーバーだ。彼のジャンプサーブは低めのサーブトスを走り込みながら叩き込むのが特徴で、フォームがコンパクトな分ミスが少なく、ネットスレスレの弾道になる。サーブの打ち方も甲斐に似ている。
さらにマンドゥラジュは攻撃力だけではなく、レシーブも熟せる選手だ。昨季はセリエAの強豪ピアチェンツァでプレーしていて、1セットあたりのレセプションAパス返球数は20.12%と決して低くない数値だった。(同じセリエAでプレーする石川は21.67%)
トルコの新星マンドゥラジュの世界トップクラスの攻撃力と、守備も熟せるオールラウンドさに注目だ。