[写真]=Volleyball World

 世界選手権男子は9月20日から決勝ラウンドがスタートしたが、そこに日本代表の姿はない。メダル獲得を目標に掲げて臨んだ日本代表は、予選ラウンド初戦のトルコ戦、2戦目のカナダ戦に連敗し、その時点で決勝ラウンド進出の可能性がついえた。一体なぜーー。

 第3戦のリビア戦に快勝した翌日の18日、空港で帰国取材に応じた日本代表の石川祐希キャプテンは、悔しさと落胆の色をにじませながらも、冷静に、丁寧に、自身が感じたことを言葉にした。

「望んでいたものとは遥かに遠い結果にはなってしまいましたけど、これも僕たちの力ですし、そこはしっかり受け止めなければいけないなと思っています。

 要因というのは一つだけじゃない。数えれば数えるだけあるので(挙げるのは)難しいですけど、やっぱり練習から雰囲気が甘かったりしたのかなとか、チーム作りをもっとできたのかなとか。戦術に関しても、もう少し細かくできたのかなとか、挙げればたくさん出てくる。今年は監督が代わって、それにアジャストしたり、メンバーも変わったり。でも、その中でも勝たなければいけないし、その中で勝つことを目標にしていたので……。いろんなところに要因があって、どれが一番かは難しいですね」

 チームの雰囲気については、「練習の時から、もっと1点の取り方とか、大事さとか、ミスの仕方とか、そういったところを僕が、言葉で、雰囲気で、もっと示すことができたなと思っているので、そこは少し甘く見ていたなと感じています」と悔やんだ。

[写真]=Volleyball World

 戦術面についても、改善すべき点が見えているようだった。

「(監督が代わって)1年目なので、やっぱり今までやってきた流れとは違った部分もある。それがいいとか悪いとかではなく、今年は監督にアジャストすることを心がけて、スタッフも選手もやっていたので、この1年は(途中で)変えることはしませんでした。でも2年目からはいろいろと僕たちの要求だったり、スタッフの要求も、うまく合わせていかないといけないと思う。1年目はこういう結果だったということで、今後の改善策はたくさんあるとは思うので、来年以降につなげていきたい」

 今大会はトルコやカナダに徹底的に研究され、日本のお株を奪うような相手の好守備が目立った一方、日本の守備にはこれまでほどの粘り強さが見られず、1本目が上がっても、それがスムーズに攻撃につながらない場面も多かった。

 ロラン・ティリ監督のシステムにまだ慣れていないというのも理由の一つだが、石川はサーブ戦術の違いに触れた。

「今大会に関しては、相手のクイックで決められるケースが非常に多かったと感じていて。ティリ監督は戦術的に、相手のメインスパイカーにサーブを集めたいという方針でした。たとえその選手の返球率が良くても集める。そこは今までとは違うところでした。例えばトルコのマンディラチ選手はパス(サーブレシーブ)が良かったですけど、彼にボールを集めようということで、Aパスを返されて、クイックなどで切られた。

 僕たちは、クイックとパイプで攻撃されるのが一番苦手としているところで、逆に、相手のサイド攻撃に対するブロックディフェンスには非常に自信を持っている。なので、パスが悪い選手を狙ったほうが、BパスCパスのシチュエーションが増えて、サイド攻撃の展開になり、ディグできる確率が上がっていたのかなと。終わってみればですけど、そう思います。リビア戦はそうなっていたと思いますし。そこも新しく勉強させてもらいました。

 とはいえトルコ戦ではブロックディフェンスは悪くなかったと思う。ディフェンスしてからアタッカーに持ってくるまでの流れは昨年までとあまり変わらないかなと感じましたが、3本目の決定率だとか、ミスの仕方、止められ方、あとはアタッカーがスムーズに入れているのかとか、そこからのコンビとか、そういったところは違っていた。

 それに、1本目が少し低かったり、リバウンドを取ったあとの(フォローの)1本目のボールの質が悪くて、セッターをバタバタさせてしまって、それで(コンビが)合わないみたいなこともあったので、そういうところはもう一度見つめ直す必要があるかなと思います」

[写真]=Volleyball World

 具体的な修正点が次々に浮かんでくる。

 自身のパフォーマンスについては、「全然上げられなかった。特にスパイクの部分で、決定率が今までよりはるかに悪かったし、ミスやシャットも多かったので、そこは反省点です。コンビが合っていないところもありましたけど、それでも試合は来るし、上がったボールはアタッカーの責任なので、そこで点を取りきれなかったのは、まだまだ僕の力不足だと感じています。もう一度しっかりと、チームだけでなく、自分のパフォーマンスを上げることにもフォーカスしたい」と受け止めた。

 来年以降について聞くと、少し強い口調で言った。

「変えていきたいっていうか、変わるので、絶対に。この結果を、全員がしっかり受け止めているので、変わらないはずがないと思っていますし、来シーズンに関してはオリンピックがかかったアジア選手権もあるので、このような結果を出すわけにはいかない。ポジティブに捉えているわけではないですけど、この結果を出してしまった自分たちが今現状いる、ということを知れたことは、来年に向けてプラスにはなると思います」

「変わるので、絶対に」。

 その言葉にキャプテンの決意がにじんだ。

 誰もこのチームを諦めてなどいない。来年は、まったく違う姿を見せてくれるはずだ。

[写真]=米虫紀子

「J SPORTS バレーボールパック」はSVリーグを男女全試合配信!【PR】

J SPORTS バレーボールパック

「J SPORTS バレーボールパック」は、月額2,580円(税込)で『大同生命SVリーグ』男女全試合など、バレーボールに特化した配信コンテンツを楽しめるプラン。

SVリーグだけでなく、アジアチャンピオンズリーグ(男子)大学リーグ、さらにはチームの魅力が伝わる選手のトーク番組や応援番組なども一緒に楽しめます。

特に、U25割対象の方は月額1,290円(税込)で同様のコンテンツを楽しむことができるのでお買い得!

POINT

『大同生命SVリーグ』の2025-26シーズン男女全試合が視聴可能

チームの魅力が伝わる選手のトーク番組や応援番組も楽しめる!

U25割対象の方は月額1,290円でお買い得!

「J SPORTS バレーボールパック」をU-NEXTで楽しもう!【PR】

U-NEXT「J SPORTS バレーボールパック」

U-NEXT 「J SPORTS バレーボールパック」は、月額2,580円(税込)で『大同生命SVリーグ』男女全試合など、バレーボールコンテンツを視聴できるプラン。

U-NEXTの月額プラン(月額2,180円・税込/31日間無料トライアルあり)をあわせて利用すると、毎月付与されるポイントを活用できるのでよりお得感がUP!

また、映画、アニメ、ドラマなどのエンタメコンテンツのほか、「月刊バレーボール」などの雑誌が読み放題でお楽しみいただけます。

POINT

『大同生命SVリーグ』の2025-26シーズン男女全試合を楽しめる!

プレシーズンマッチなど、さまざまな国内外のバレーボール大会を配信予定

U-NEXTの月額プランと組み合わせると、毎月付与されるポイントでよりお得に!

この記事を書いたのは

米虫紀子

米虫紀子 の記事をもっと見る