[写真]=兼子愼一郎

 21日(日)、京王アリーナTOKYOで令和7年度皇后杯 JVA全日本バレーボール選手権大会の決勝が行われ、大阪マーヴェラスとNECレッドロケッツ川崎が対戦した。

 5大会ぶり2度目の優勝を目指す大阪MVと2大会ぶり3度目の優勝を目指すNEC川崎。昨シーズンのSVリーグ女子のファイナルと同じカードでの対決となった。

 今シーズンのSVリーグでは2試合戦いどちらもNEC川崎がフルセットで勝利している中、大阪MVのスタメンは、サマンサ・フランシス、林琴奈、リセ・ファンヘッケ、田中瑞稀、西崎愛菜、東美奈、大山遼の7人。NEC川崎は山田二千華、佐藤淑乃、甲萌香、中川つかさ、シルビア・チネロ・ヌワカロール、ジョバンナ・ミラナ・デイ、大工園彩夏を並べた。

 第1セット、NEC川崎リードで序盤は進むが、大阪MVもフランシスと田中の連続ブロックで同点に追いつく。その後も一進一退の攻防が続く中、13-15の場面で大阪MVは塩出仁美と宮部愛芽世を2枚替えで起用する。一方のNEC川崎はリベロを本職とする児玉奈津美を後衛で起用し守備力を強化するが、田中のレフトからのスパイクを止められない。19-22でNEC川崎が抜け出したかに思われたがすぐさま大阪MVもブレイク。両者ともにタイムアウトを使い切り1セット目から総力戦となるが、最後はNEC川崎のミスもあり26-24で大阪MVがセットを先取する。

 第2セットはNEC川崎が反撃しいきなり4点を先取。その後も火力の高い攻撃を続け、どんどんリードを広げていく。最後まで点差を詰められることなく16-25でNEC川崎がセットを奪い、タイに追いつく。

 続く第3セットは大阪MVがわずかにリードする中で中盤へ進むと、NEC川崎が動く。2枚替えで澤田由佳と和田由紀子を投入。和田の登場に会場も沸く中、NEC川崎が流れを掴み同点に追いつく。それでも動じない大阪MVは、第2セットで苦しんでいたファンヘッケの得点が増えていく。第1セットに続きこのセットもデュースへと突入すると、両者譲らぬ互角の展開が続くが、最後はヌワカロールのアタックがブロックに遭い、33-31という凄まじいスコアで大阪MVが奪い切る。

 大阪MVがスタートからセッターの塩出を起用してきた第4セット、フランシスのサービスエースなどで大阪MVが徐々にリードを広げていく。NEC川崎も巻き返し同点に追いつくと、12-12で澤田と和田を投入する。一方の大阪MVも16-18と一歩抜け出された場面でこのセットからベンチに下がっていた林を投入し巻き返しを図る。早速その林のスパイクでロングラリーを制すると、ブロックでも打数が増えてきたヌワカロールとデイのアタックを捉える。このセットもデュースへと突入すると、最後は大阪MVのタッチネットを見逃さなかったNEC川崎がチャレンジを成功させて24-26でセットを奪った。

 運命の第5セット、試合を通して高い決定率をマークするNEC川崎の甲のスパイクがファーストポイントに。一進一退の攻防が続き、どちらも積極的に選手交代を活用していく。このセットもどちらも譲らぬ展開が続き、再びデュースへ。どちらもタイムアウトを使い切った中、最後は相手のマッチポイントを乗り切った大阪MVが逆転で勝利を掴んだ。

 フルセットの激闘を制した大阪MV。5大会ぶり2度目の皇后杯優勝で昨シーズンのSVリーグ女子に続くタイトルを獲得した。

■試合結果
大阪マーヴェラス 3-2 NECレッドロケッツ川崎
第1セット 26-24
第2セット 16-25
第3セット 33-31
第4セット 24-26
第5セット 17-15