令和7年度皇后杯 JVA全日本バレーボール選手権大会の決勝で、NECレッドロケッツ川崎との激闘を制し、頂点に立った大阪マーヴェラス。攻守両面で勝利に貢献した林琴奈は、試合後、勝負の行方を左右した自身のサーブと、逆転勝利を呼び込んだチームの結束力について振り返った。
最終セット、11-14とNECにマッチポイントを握られた絶体絶命の局面。そこから逆転の足がかりを作ったのが、林の鋭いサーブであった。林は「今大会を通してサーブの感覚が非常に良かった。どんな場面でも攻める気持ちを忘れずに打ち切ることができた」と語る。特にサービスエースを決めた場面では、「『いけるかな』という気持ちで、エース狙いに行こうという気持ちで打てていたのは、良かったかなと思います」と、攻めの一本であったことを明かした。
今シーズンの大阪MVは、SVリーグでフルセットまでもつれ込みながら勝ちきれない試合が続いていた。その課題を大一番で克服できた最大の要因は、チーム内のコミュニケーションにあったと林は分析する。「11-14という崖っぷちの状況でも、誰一人として諦めていなかった。いつもなら沈黙してしまうような場面で、今日は全員の口から『まだ終わっていない』という言葉が出ていた。1%の可能性を全員が信じて声を出し続けたことが、今日の勝ちに繋がった」と、土壇場で見せた精神的なタフさを強調した。
この劇的な逆転優勝は、SVリーグに向けても大きな転換点となる。「今日のような展開で勝ちきれたことは、大きな自信になる」と手応えを口にする。激戦を戦い抜いた充実感を漂わせつつも、「また気持ちを切り替え、さらに精度を高めて全員で挑んでいきたい」と、SVリーグ連覇を見据え、決意を新たにした。




