6日(火)に東京体育館で第78回JVA全日本バレーボール高等学校選手権大会(春高バレー)の2回戦が行われ、優勝候補の一角である鎮西高校(熊本)は愛知工業大学名電高校(愛知)と対戦。1セットを落とす波乱の展開もフルセットで勝利を収め、初戦突破を果たした。
だが、勝利とは裏腹に、エースアタッカーの一人である2年生の一ノ瀬漣は試合後の取材時にあふれる涙を止めることができなかった。その涙の理由を問われると、一ノ瀬は声を詰まらせながら「自分の出来が悪くて、すごい悔しいという思いがあって……」と心情を吐露した。
一ノ瀬は鎮西にとって今大会初戦となった愛工大名電戦で苦戦。特に第2セットの出だしで一ノ瀬のアタックがアウトになると、そこから一挙8連続失点。その大差を跳ね返すことができずに2セット目を落としていた。「前から畑野(久雄)先生からも『ミスをするな』と言われていた。あのセットで自分のミスが続いてしまった。鎮西のバレーが全然できていないなと感じていた」と、自らのミスでチームに流れを呼び込めなかった責任を重く受け止めていた。
そんな窮地を救ってくれたのは、共に戦う3年生たちだった。一ノ瀬が苦戦していた中、先輩たちはプレーで支えた。特に一ノ瀬とともにWエースと称される岩下将大が躍動した。一ノ瀬は「3年生に、本当に感謝したいです。助けてもらって、本当に『ありがとうございます』という思いが一番です」と語り、自らの不甲斐なさへの悔しさ以上に、先輩たちへの感謝を強調した。
第3セットに入る前、一ノ瀬の心に宿ったのは「この試合で3年生を引退させたくない」という思いだったという。「自分ができる精一杯のプレーをしよう」と必死に気持ちを立て直し、最終セットを戦い抜いた。
「春高」という舞台で戦うことの難しさ、そしてエースとしての重圧を痛感した初戦。「3年生と本当に一試合でも長く試合ができるように、恩返しをしたい」と話した一ノ瀬はこの涙を力に変えられるか。




